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壊龍side2
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歩いていると車が走ってきた。あぁ轢かれるなぁ。ここで死ねるのかなぁ。と思って立ち止まった。
車は急ブレーキを踏んで止まってしまった。ドアが開いてお兄さんって感じの人が降りてきた。
「おい!お前何してんだ。危ないだろう!」
急に叫ばれて頭痛くなる。せっかく死ねるかもって思ったのに。だから呟いてやった。
「いっそ、殺してくれればよかったのに。」
お兄さんの顔が怒りの表情に変わっていく。なんか悪いこと言ったかな?
「生きたくても死んだやつだっているのに、そんなこと言うんじゃねぇ!」
なるほど。葬式とかの帰りなのかな。よく見ると服が喪服ってやつだ。それにしてもよく怒鳴る人だなぁ。でも俺の気持ちなんて知らないくせに勝手な持論をぶつけないで欲しい。思わず言い返していた。
「じゃあこれからどうしろって言うんだよ!親に捨てられて親戚に引き取られたと思ったらその親戚にも放り出されて!これからどうやって生きろって言うんだ!わかったようなこと言うなよ!それとも何?お前が養ってくれるの?」
?何言ってんだろ俺。こんな俺なんか誰も養ってくれるはずないのに。あーぁまた傷つくのか。
「あぁしてやるよ!世話してやる!だからもう死ぬなんて言うな!」
え?お兄さんなんて言った?理解出来なくても言葉が紡がれる。
「行っていいの?お前の家に…?ほんとに?」
「いいぞ!どうせ一人だしな!お前ぐらい養ってやる!」
信じちゃダメなんだ。また捨てられる。傷つくのはもうゴメンだ。そう思っているのに涙が勝手に零れる。そうだな。これで最後にしよう。この人に裏切られたらそれで終わろう。
「わりぃな、ありがとう」
それだけ呟くと意識が無くなった。
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