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壱椰の交友関係は大体把握している。
同じ学部のよく一緒にいた相手には、壱椰の振りをして既に連絡を入れてある。
何度も思ってる、最低だと。
それでも、僕はもう手放せない。
「はい、では今日はここまでにします。まだ終わってない人は残って、今日中に私の所まで提出しに来てください」
教授はそう言い残して教室を出て行った。
僕はもう終わり、帰ろうと鞄を手に持った時だった。
「慧都帰んの?」
「ん?だって僕、もう終わって提出したし」
「待って!お願い!俺このままじゃ終わらないから!助けて!!」
そう言って泣きついて来たのは翼冴(つばさ)で、大学に入ってから出来た友人の一人だ。
「えー」
「一生のお願い!!」
「出た!翼冴の一生のお願い!!」
「慧都に一生のお願いするの何回目だよ」
周りの奴らが笑いながら僕たちのやりとりを見ている。
「他の奴に頼めば良いじゃん、なんで毎回僕なの」
「だって、慧都が一番教え方分かりやすいし。そもそも今日は他の奴らだって終わってないから」
「大体時間内に終わるわけないだろこの量!」
「僕は終わったんだけど」
「「慧都がおかしいんだよ」」
口を揃えてみんなが言う。
それが教えてもらおうとしてる奴の態度かとツッコミを入れたくなりつつも時計を見る。
壱椰の元へ早く帰りたいけど、仕方ない。
「分かったよ。今度、昼ご飯奢ってよ?」
「もちろん!デザートも付けるから!!」
「当然でしょ」
そして僕は翼冴に教えるべく、残ることになった。
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