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79 気がついた想いは
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慧都の家を出て、一人暮らしをしていた自分の家に帰る。
数ヶ月振りの家は、何も変わっていない。
なんとなくさっぱりしたくて、シャワーを浴びた。
何もする気が起きなくて、家でだらだらする。
そういえば、大学は何ヶ月も休む形になってしまったけれど、単位は大丈夫だろうか…
いつものようにベッドに腰掛けてもなんだか落ち着かない。
自分の家なのに、自分の家ではないみたいだ。
慧都とあの家で過ごした月日がとてつもなく濃くて、だから、こんなぽっかり穴が空いたみたいな、そんな気がするんだ。
ただ、それだけだ。
そして、俺は気がつけば眠っていて、次に目を覚ましたのは翌日の午後だった。
「…寝すぎ」
呟くと丁度お腹が鳴った。
ベッドから降りて慧都の家とは違って狭いキッチンに行っても、何も用意などされていない。
冷蔵庫の中にも、食べれそうなものはない、、
「買いに行かなきゃいけないのか…」
もう、感覚が狂ってる。
全部慧都のせいだ。
そう思いながら近くのコンビニへ行き、お弁当を買って帰ってくる。
「そうだ、充電しなきゃ」
すっかり忘れていたスマホを鞄から取り出して、充電器を繋げる。
しばらくして、画面は明るさを取り戻した。
メッセージがたくさん届いていた。
俺が監禁され始めてから3週間ほどのところでほとんどパッタリと無くなっている。
でも、昨日の日付のものが一件。
相手は、慧都だ。
しかも、時間は4:36と表示されている。
「どんだけ早起きなんだよ」
そんなことを思いながらメッセージを開いた。
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