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俺はポカンと口を開けたまま、リオを見つめた。
リオは、何事もなかったかのように「じゃあ部屋に戻るわ」と言って、出て行こうとする。
「え?あっ、ちょっと待って!」
「なに?」
扉まで行ったリオが、足を止めて振り返る。
俺は椅子から立ち上がり、リオの傍へ駆け寄った。
「いっ、今のっ…。え?リオってそうなの?サッシャも?」
「…うん、まあな。なに?そんなに驚くこと?」
「いや…うん。なんか嬉しい。俺、アルを好きだけど、心のどこかで王様の相手が男の俺でいいのかなぁ…って思ってたから。リオも同じだって知って嬉しい…」
リオが、フッと笑って俺の頭に手を置いた。
「な、なに?」
「ふふ、カナデは可愛いよな。そりゃあアルファム様も大事になさるわけだ。カナデは、何にも心配しないで、堂々とアルファム様の隣にいていいんだよ。アルファム様がそれを望んでるんだし、周りがとやかく言うことじゃないからさ。それにさ、城の中では、カナデは神様の申し子だという噂があるぜ?どうやら王様よりも偉いらしい。だから、何も気にすることなんてない」
「はあ?神様?俺…普通に人間だよ。髪の色が珍しいってだけなんだけど…」
「でも実際、カナデが城に来てから、我が国の国益が上がってるんだよ。まあそれは、アルファム様がものすごいやる気を出して政務に励んでいるからだけどね。でもやる気を出させてるのはカナデだから、やっぱり炎の国にとって、カナデは神様みたいなもんだと思うよ」
「え…俺、何もしてないのに…」
「じゃあそういうことで。疲れたから部屋で休むわ。また後でな」
リオはそう言うと、今度こそさっさと部屋を出て行った。
俺は、ベッドに寝転んで天井を見つめ、リオの言葉を思い返す。
ーーそうかぁ…。じゃあリオも恋人がいるのかな?どんな人だろ。明日聞いてみよう。それにサッシャも抱かれる側だって言ってたけど…。そういうのって見てわかるもんなの?でも…そうか。恋愛が自由っていいよな。男同士でも、隠したりしなくていいんだ。男だからって、振られたりしないんだ。
ふと、颯人の『女の人と結婚する』と言った言葉を思い出してしまい、眉間にシワを寄せる。
そして直後に、ハマトの姿が目の前に浮かんで、思わず吹き出してしまった。
ーーふふっ、颯人の奴、『やっぱり女の人と結婚するのが普通だ』とか言ってたけど、あいつとそっくりのハマトは、どうやら俺に興味があるみたいだぞ?『女の人がいい』と言っておきながら、俺に迫ってきてるみたいで、なんか滑稽だ…。
そこまで考えて、もしもまたハマトが戻って来たら困ると思い、慌てて起き上がり扉の鍵を閉めた。
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