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俺が下を向いて顔を上げれないでいると、「ん?どうした?」と再びアルファムが顔を覗き込んでくる。
俺は、熱くなった顔を上げて、「ところで…」と口を開いた。
「あの扉…、綺麗だけどなんで変わったの?それに閉めた時に白く光ったよ?」
「ああ…、以前の扉も頑丈に作られて強い魔法をかけてあったが、より一層厳重な扉に変えたのだ」
「どうして?」
意味がわからないと首を傾ける俺に笑って、アルファムが指で俺の頬を撫でる。
「もしカナの腹に子が宿れば、この部屋で過ごすことになる。このことは極秘裏に進めてはいるが、どこで誰に気づかれるかわからない。だから念の為に、扉や窓を頑丈にして強い結界の魔法をかけておいた。俺やカナは、普通にこの部屋に入れる。ここにいる三人は、俺かカナの許可があれば入れる。その他の者は、部屋に入れないようになっている」
「へえ…すごい。窓もなの?」
「そうだ」
俺はアルファムから離れると、窓へ近づき押してみる。
すると、さっき閉めた扉のようにぽわりと白く光って、窓が向こう側へと開いた。
「開いた…」
「おまえが開ける分には、何も支障はない」
俺は頷いて、窓を閉める。途端にまた白く光る。
「リオ、押してみろ」
「はい」
アルファムに言われて、リオが窓に近づき押してみる。
窓は、鍵でもかかってるかのように、ビクとも動かない。
次にリオが、窓に手を当てて何かを呟く。ガタンと窓が揺れたように思ったけど、やはりビクとも動かない。
「ダメです。俺の魔法も効かないです」
「よし。大丈夫そうだな。カナ、リオはかなりの術者だ。そのリオが開けることが出来ないのだから、他の者にはまず無理だ。安心して過ごせよ」
着々と準備が進んでいくことに、足元からこそばゆいような嬉しい感情が湧き上がってくる。
「ありがとう、アル。俺、頑張るからね!」
「俺もなるべく傍にいるようにする。だから、一人で何でもやろうとするな。いいな?」
「うん」
アルファムの傍に戻り、ピタリと身体を寄せる。
これからどうなるのか、すごく楽しくなってきた俺は、子胞薬を摘んで眺め、匂いを嗅いでみた。
「うぐっ!何この匂い…っ」
「高価な良い薬は、独特の匂いと味がする物だ。心して飲めよ」
俺は、子胞薬を袋に戻して、情けない顔をアルファムに向ける。
アルファムは、愛しそうに目を細めると、俺の額に口付けた。
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