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「…………………………………………………」
なんだよ、それ。
たかがハグくらい、いいじゃんか。
自分が今、怒ってるのか悲しんでるのか、わからない。どっちも、かな。ひたすらヒヤさんを見つめていると、ようやく、彼は口を開いた。眉間のシワ。
「………………なに」
「怒ってる?」
間髪いれずに、訊いてみた。
寂しさは募る。俺じゃ駄目なのかな。それって一番切ない。
「おこ……ってな、怒ってる、……から、離れなさい」
「やだ。ぎゅってして?」
「だ、駄目。犯罪になる」
「ならねーよ、どんだけ警戒してんの。…………普通にでいいからさ」
「出来ないよ」
「なんで」
「……………」
「自分の子供にするみたいに。…………してくんないと離れない」
わがままを並べる。
ようやく彼は、おそるおそる俺の背に触れた。
「っ……」
その手には次第に力がこもっていき、やがて俺を強く抱きしめた。
さびしさや悲しさなんて、あっという間にふっとんで、俺はちょっとだけ恥ずかしくなる。さっき、かなり必死だったな、俺。みっともないな。でも嬉しい。
あと、今更になって、少しだけ、怖い。
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