アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
ぐわ。
って感じに大人は固まって、振り替えって俺を見るけど目は一瞬しか合わない。怒ってる? あ、照れてるのか。
「手ぇ離さないでよ」
「君さあ、もう、……あー」
「なに。俺別に変なこと言ってないもん」
「あーも、うるさい。帰れ。早く帰れ」
「うっわ、ひっど」
その場にしゃがみこんで頭を抱えるヒヤさんが面白くて、俺はまとわりついてからかう。
「だって好きだもん。好きな人に好きっつって何が悪いの。好きだよ? ヒヤさん」
「うう、うるさい。ほんと、やめて」
「うるさくしてないよ、好きって言ってるだけだよ。声うるさいなら耳許で囁いてあげよっか、好きって。すー」
「やめ、やめてください」
両耳を手で塞ぐヒヤさんは、目もぎゅって閉じてしまって、どっちが子供だか分かりゃしない。この人、こういうの苦手なのかな。
普段は背が高くて届かない、ヒヤさんの髪を撫でてみる。思ってたよりさらっさらだった。女の子みたい。
「……ヒヤさん、人に好きって言われたこと、あんま無いの?」
「……………………普通、滅多にあるもんじゃないだろ」
しかめっ面は照れ隠しなんだろうか。可愛い。
モテないんだーってからかおうとしたけど、やめておいた。モテたら俺が困る。才能や性格は別にして、外見だけなら、下手なモデルや歌手よりずっとマシだ。
それに、ちゃらちゃら惚れた別れたをしなさそうな人だし。そりゃ滅多にはないよな。ああ、大体この人、女の人に好かれても嬉しくないのか。男の子が好きなんだもんなあ。
そんで男の子の俺がこの人を好きなんだったら、もう実質両想いでいいじゃんって思うんだけど。
実質両想いってなんなんだよ。
「じゃあ、俺がいっぱい言ってあげるね?」
「っ……いい、黙って」
「ヒヤさん、」
「はるき」
怒られた。
それより、名前を呼ばれたことのほうが嬉しい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
47 / 136