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「……え?」
耳に届くこの声は、確かに僕達の寝室から聞こえてきて。
…悟ってしまった。
__先輩は…翔太先輩は浮気をしているのだと。
先輩が知らない誰かとベッドの上で…
考えただけで吐き気がした。
目からはとめどなく涙が零れ、ここにいたら壊れてしまう。そう思った。
だから僕は気づかれないよう静かに玄関を閉め、買ってきた材料も全部置いて全速力でその場から逃げた。
…そうして約10分は走っていたと思う。
よくある小さな公園があったからそこでひと休みした。
少し肌寒くなったこの季節、地べたに座るとお尻から全身が冷えていくようだった。
少し冷静になるとまた涙がこぼれる。
それは堰き止めていたものが一気に溢れ出したかのように止まることを知らない。
何とかして涙を止めようと目を瞑る。
だけど瞑るとあの女の人の声が脳内を駆け巡り、吐き気がする。
ついにはこらえきれなくなり公園のトイレで吐いてしまった。
お昼に食べたサンドウィッチや友達からもらったジュースなどが胃の中から逆流しているんだなと何故か冷静だった。
一通り吐き終わり、体に力が入らなかったからトイレの壁にもたれかけ考えた。
「僕のこと…好きじゃなくなっちゃったの…?先輩…」
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