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最近、先輩は家に寄り付くことが少なくなった。
これ本当に一緒に住んでるの…ってくらい顔を見てない。
かと言って、先輩に聞くのも重いと思われたら嫌で聞けない。
…堂々巡りだ。
そんなある日のこと…
玄関に先輩の靴があった。
久しぶりに先輩が家に帰ってきたんだ!!!
本当に嬉しくて、廊下を進んでドアを開けてソファに座りテレビを見ている先輩に飛びついた。
「先輩ッッッッ!!!!!!!!!!!」
_その時ふわっ…と香りがした。
先輩が絶対に付けないようなローズ系の香水の匂いが。
「ん?あ、おかえり」
「……………うん、ただいま」
え、香水ってそんな簡単に移るものなのかな…。
今の僕みたいに抱きついたりしない限りつかないんじゃ…?
…。
「ねえ、先輩」
「ん〜?」
「先輩って…」
『 浮気してるんですか? 』
喉まで出かかったその言葉を必死に押しとどめて違う言葉を紡いだ。
「…結構、スキンシップ許すほうですか?」
「え、なんで?」
「…先輩から甘ったるい香水の匂いがするので」
「え!まじで!あ〜あいつだな、美玲っていう女友達がさ最近スキンシップ激しくてw」
「あ、そうなんだ…ごめんね、疑って」
…そっか。
浮気じゃなかったんだ…。
「いやいいよw 疑ってくれるってことはそんだけ俺のこと好きって証拠じゃん?」
「…ふふっ、確かにそうですねw」
_今日はいっぱい先輩とお話した。
たくさんたくさん。
嬉しかった。だけど。
_こんなに流暢に喋る先輩に、これからも抱き続けることになる不信感を初めて抱いた最初の日だった。
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