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完結後の世界 =2(旅行編)
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今日は待ちに待った、先生と2人きりでの旅行デート…!!!
今は先生の助手席に座ってる。
「先生、楽しみですね…!」
「ええ…って蒼太こそ敬語取れてないけど?」
「あっ…楽しみだね先生!」
「……そろそろ、先生呼びも卒業してくれないかな〜名前で呼ばれたいんだけど」
「え"っ…?!」
「…ふふ、なんてね。呼びやすいなら先生のままでいいよ」
その時、少しだけ眉を下げて笑った先生を見て何だか居た堪れなくなった。
「あき、ら…さん」
「……………………………へ」
「ぼ、僕だって言えますから!葉山あ…彰さんでしょ?!!!」
「……ああこれ理性持つかな」ボソッ
「ちょっと?聞こえてるから!!」
「ああごめん、蒼太が可愛いから」
「んなっ…!!……そうやって歯の浮くようなセリフ普通に言わないでよ…」
「照れちゃうから?」
「……」
僕は小さく首を縦に振った。
「俺の前ではもっと照れてよ、俺だけの蒼太なんだって思わせて?」
「……そんなの、元から先生だけのものだよ…」
「ありがとう…と言いたいところだけど先生呼びに戻ってるから減点〜」
「ええ!!彰さん意地悪…」
「そんな意地悪を好きになったのは誰だっけ〜?」
「…………っ!!!!」
_いつの間にかこんな風に話せるようになれた。
せんせ…、ごほんごほん……彰さんが俺って使うようになってから何だか…俺様感が凄いというか…前もドキドキしてたけど最近はドキドキしっぱなしというか…
とりあえずかっこよすぎて辛いそれな
「どうする?お腹すいてるならサービスエリア寄るけど」
「んん…別に、かな」
嘘、本当はめっっっちゃお腹すいてる。
せめて彰さんの隣に並んで歩きたいと思って朝早くから身支度してたら食べる時間なくなっちゃったし…
でも先生…彰さんの前でガツガツ食べるのも恥ずかしいし…
こうなったらもう旅館に着くまで我慢!!
男、風上、根性みせます!!!
「……ふーん、でも俺がお腹すいたからやっぱり寄る」
「ぇ……はい…」
隣で食べてるの見たら絶対お腹なっちゃうよぉ……
トイレに逃げようかな…
そんなこんなでもう着いてしまった。
「蒼太は何が好きとかある?」
「う、うーん…?な、無いかなぁ?」
好きな物言ったら余計お腹すいちゃうじゃん!!!彰さんのバカ!あほ!気持ち考えろ!!!
「そう……じゃあ適当に買ってくるので車で待っててくれる?」
と言って鍵を渡され、彰さんは建物の中に入っていった。
「……お腹すいた…」
少し息をつけば腹の虫が鳴る。
その時、ガチャっと車の開く音がした。
「ほら、お腹すいてるでしょ?食べよう?」
そう言って彰さんが渡してきたのは美味しそうな、たこ焼きとカフェラテ。
「たこ焼きとカフェラテは合わないと思うけど…あははっ!!!!」
「えっ、合わないかな…」
「意外と彰さんって食に関しては疎いの?」
「うーんどうでしょう、ただ、生きるために必要なこと…ぐらいにしか」
「うわっそれ人生の半分くらい損してるよ!!美味しい物食べたらそれだけで心がほわぁ…ってなって明日も頑張ろ!ってなるもん!!」
「……あ、それなら蒼太が俺の家で毎日料理作ってくれればいいよね」
「まあ確かに………ってえっ?!!!」
「あら?俺なりのプロポーズだったんだけど」
「プ、プ、プ、プ、プロポー…????」
え今この人なんて言った?
プロポーズって言った?
聞き間違いかな?え?
「いやでも車の中でプロポーズはちょっとあれか…追追またプロポーズするからその時に返事して?」
「は………………はい」
そのあとも彰さんは話しかけてきてくれてたけど、正直もう頭がいっぱいいっぱいで何も聞き取れなかった。
「蒼太、旅館着いたよ」
「…へ?あ…うん」
「…そんなに考え込まないで?今は旅行を楽しもう?」
「うん…」
その旅行をあんなこと言って頭パンクさせたのは彰さんだかんな!!!!
もう!!!!
…でも、この旅行だって元は僕から言い出した事だし…楽しまなきゃ損だよね。
_それからお饅頭食べたり、観光スポット回ったりしてたらとっくに夕飯。
お部屋で食べるしゃぶしゃぶは頬が落ちちゃうくらい美味しかった…!
「蒼太、お風呂先に入ってきたら?浴衣ここに置いておくから」
「はーい」
ちょうどいい湯加減のお風呂に浸かりながらプロポーズのことについてまた考えた。
「…っていうかそもそも僕達結婚できないし…そりゃ、ずっと一緒がいいけどさ………てかもう今日めっちゃ楽しみにしてたのに彰さんが行きにあんなこと言うからずっと意識しちゃったじゃん…」
隣で歩いてる時、
何か食べてる時、
話してる時、
ずっと脳内にプロポーズがチラついて
彰さんの顔見るだけで恥ずかしくて…
彰さんの馬鹿!って思うのと同時に
こういう日々が幸せなんだなとか思う僕もいて
2人で何も話さずにただ隣にいるだけで、それだけで何だか心が暖かくなる。
「彰さんの馬鹿……好き…」
_好きって気持ちがもう収まらないくらいに積もって積もって、減らない。
「彰さん上がりました」
「あ………」
「?どうかしました?」
「いや、浴衣、はだけてます」
「わっほんとだ…」
「…こっちおいで?結んであげる」
彰さんが手で僕を招くから僕はそれに釣られるように、ぺたぺたと彰さんの元に向かった。
「………っよし、完成」
「彰さんって手先器用…」
「浴衣の結び方ぐらいは知ってるよ」
「そういうものなんだ…」
なんだか"大人の男性"って感じ…
「見惚れちゃった?」
楽しそうに聞いてくる彰さんは濡れた髪と相まって、より一層妖艶に見えた。
「…うん、かっこよかった」
なんか癪だったから素直に言った。
これで彰さんの慌てふためく姿が見れるかも…とか思ったのに。
「ありがとう、蒼太の為だけにこれからももっとかっこよくなるね」
_彰さんの方が1枚上手でした。
「さて、と…お布団に入って寝ようか。もう遅いしね」
…そっか、もう後ちょっとでこの旅行も終わり、か…
「彰さん…」
「?なに?」
「僕から言っといて何ですけど…この旅行楽しかったですか?」
僕はもちろん、楽しかったけど…
「………ふふ、何をそんなに怯えてるのかは知らないけど、俺だって蒼太のこと好きだからさ好きな人と一日中、一緒なのに楽しくないわけないよね」
_その言葉は僕の不安を溶かしてくれた。
ああなんか…今ならなんでも出来ちゃいそう。
何かに引っ張られるように、
押されているように、
少し背伸びをしたあと、
僕は一直線に、彼の唇に口付けした。
「彰さん…僕、貴方を好きになってよかった。好きになれて良かった…」
不意に背中に腕が回され、抱きしめられていると知った。
2人何も言わない。ただ、時間が流れる。
でもそれが苦痛じゃなくて。
むしろ2人で時間を共有しているよう。
ゆっくりと、ゆっくりと、2人目を合わせると
また、その唇に吸い付いた。
===
「次はどこに行こうか」
帰りの車の中で少しうとうとしていた時、隣からそんな声が聞こえた。
答えなきゃ…
それなのに重力に抗えず、声を出すのも億劫で、そのまま暗闇へ落ちていった。
==
「おやすみ、愛してる」
ちゅっ…とおでこに唇を当て、愛しい人の寝息を聴きながら帰路に着いた。
旅行編〜完〜
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