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完結後の世界 =6(ひとつの恋路と隠された思惑⑧)
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真実を…話してもいいだろうか。
==
_ピーンポーン
「あ、、はーい」
インターホンが鳴り、あいつが来た。
「もうなんなの?!あたしの家、夜間の外出厳しいのよ!!」
そういうものの額には汗で髪が張り付いてるのを見ると、急いできてくれたんだと少し嬉しく思う。
「いや…ごめん。まあ、中入って」
そのままリビングに案内し、真守の息が落ち着くと話を切り出してきた。
「まあ、切羽詰まってたみたいだし許してあげるわよ……で?何があったのかしら?」
_きた。
「うん…ただ、これを聞いて俺を嫌わないで欲しいし、透も嫌わないで欲しい」
「…そんなの内容によるわ、でも…あんたら2人は嫌いになんてならないから安心しなさい」
こんなことをすらっと言ってしまう真守は本当にかっこよかった。
「ありがとう、実は…___」
==
「……………それ、ほんとう?」
「…俺も嘘だって思いたいよ」
これまでのことを少し端折りながら、でも殆どを話した。
「そう…そんなこと考えてたなんて全く気付かなかったわ。透…何考えんのよ」
俺が人を殺したかもしれないって言うのに、全く態度を変えない彼を尊敬する。
俺がその立場ならきっと、こんな風に話せない。
でも、これ以上巻き込むのは……
そう思うのに、本音は最後まで着いてきて欲しいと願う。
多分俺はまだ、透が怖い。
だから、真守に縋ってしまう。頼ってしまう。
そんな情けない俺なんて翔太さんには一生見せらんないな、、、
「俺、明日ちゃんと話そうと思ってるんだ。だから、真守も来てくれないか?…その、できたら…だけど」
どんどん声が小さくなっていく。
翔太さんと初めて会った時の大胆な僕はどこか旅行に行ったみたいだ。
「……ほっんと馬鹿ね、あなた達2人の問題なのは重々承知の上でこうやって話聞いたのよ。最後まで、着いていくわ」
「うん………ありがとう」
真守は強くて弱い。
だから強者の気持ちもわかるし弱者の気持ちもわかってくれる。
本当に、ただ有難い。
「…ええ、じゃあ明日のことは後回し!今の話をしましょ?そうねぇ……今好きな人なんて居ないのかしら?」
突然、パンっと手を叩いたと思うと急に話を切りかえた。
「ぅえ?!!な、な、な、なんでっ?!!」
は、は、話変わりすぎでは、、?!
「あら〜?その反応は……あたしに教えてくれてもいいんじゃない?そうねぇ…隣のクラスの山田さんとか?いや、意外と山下さんとか?」
見るからにテンションが上がった真守は思いつく限りの俺と仲いい同級生の女の子を上げていく。
_俺は最低なヤツだ。
こんなに真摯に透と向き合ってくれたこの人に同性愛者だと伝えるのが怖い。
充分な信頼が確かにあるはずなのに、それをも壊してしまいそうでならない。
俺は、自分からは言えないから……
「…と、年上のひと…」
_真守自身で気付いてくれたら…なんて。
「あら?そうなの…それならあたしには分からないわね、、じゃあ外見でも中身でもいいわ。どんなところに好かれたの?」
「え……うーん、初めは顔、かな」
自分でもあの時の俺は忙しさでどこかおかしかったんだと思う。
別に顔がタイプだったからって起こさなくてよかった。生存確認だけで良かった。
更にはうちに来ませんか、とかなんとか言ってて………
え、俺、やばくない?
まあでもそのおかげで翔太さんと連絡先交換できたんだけどさ。
「分かるわ、誰だって最初は顔よね…」
「分かってくれる?!いやね?本当に顔が綺麗で…でも連絡先交換して会社員だからキチッとしてると思ってたら意外と大雑把で、過去の恋愛引きづってて、だけど俺に優しくって…うーん、どこが好きって聞かれたらすぐには答えらんないけど、でも暫くその人以外いらないやって思えるぐらいには好き…かな」
なんか思いの丈を話しちゃったけど…これ意外と恥ずかしい……!
「へぇ…ベタ惚れなのねっ」
「うん、本当に好きなんだ」
「……紹介してちょうだいよ。別に取って食ったりしないわ!ただ…あたしの凪をそんなに夢中にさせた人に興味あるのよ」
そう言いながら少し口をすぼませる真守。
「真守の俺じゃないから!!…まあ、でも紹介はまた今度、ね?」
ごめん、もう少し俺に時間を頂戴…
「…うーん、なんか納得いかないけど…まあいいわ。とりあえず今日は帰るけどちゃんとベッドで寝るのよ?あったくして寝るのよ?明日はここまで迎えに来るわ」
「え、そこまでしてくれなくても…いや、ここは真守の好意に甘えようかな。俺も正直ちょっと怖いし…」
こんなに真摯に向き合ってくれる真守を断わり続けるのもどうかと思って素直に受け入れた。
「それでいいのよ。じゃあまたね」
「うん、おやすみ」
玄関が閉まり、さっきまでの騒がしさを思い出して少し寂しくなる。
「ふぅ…今頃、透は何考えてるんだろ」
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