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完結後の世界 =8(不器用な愛①)
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※前話と繋がってます。
===
ついに人生初給料を貰った僕。
「こ、これが…!」
通帳に増えた数字を見る度に顔がにやける。
「えっと…家賃が4万5000円で、そこから水道とか光熱費とかも払わないといけないしレンジとか欲しいから…」
そう考えるとお給料だけだと本当なら結構カツカツだけど
「まさか、こんなに貯めてくれてたなんて…知らなかったや」
一人暮らしをして初めて自分の通帳と向き合った時、それまでまともに働いたことのない僕なのに貯金が50万もあった。
その相手は"塚田太清(ツカダ タイセイ)"
僕のお世話になった児童養護施設の施設長だった。
疎まれてると思ってた。嫌われてると思ってた。
だけどこのお金を見た時、もしかしたら…と思えてきた。
「…うん、決めた。彰さんにプレゼント買いたいけど…来月まで我慢。まずは…」
お礼も兼ねて、施設長に会いにいかなくちゃ。
でも、もう僕のことなんて忘れてるかな。
そもそもまだあそこで働いてるのかな。
「…っああ!!ダメダメ、そうやってネガティブに考えるのはダメ。まずは行ってから考えよう…うん、悩むのはそれから」
今日はもう寝ちゃお。
==
「あ、彰さん?」
「うんそうだけど、こんな朝っぱらからどうしたの?」
翌朝、やっぱり地元に帰ろうと決意した僕は彰さんにバイトを休みたいと連絡した。
「えっとお休みが欲しくて…」
「あぁ、そんなこと?それなら全然いいよ。ちなみに理由は聞いても?」
「昨日、お給料貰ったじゃないですか?」
「うん」
「それで、通帳見てたら施設長に会いたくなって」
「施設長って…蒼太が過ごした児童養護施設の?」
「はい。実は、一人暮らしを初めてから気付いたんですけど僕の通帳に50万円が振り込まれてたんです。何年もかけて」
「え、そうなんだ…ってことはそのお金が?」
「はい、名前が施設長でした。だからお礼も兼ねて、会いに行きたいと思って」
「そっか。おっけー分かった。またシフト組んどくから決まったら送るね」
「はい!…で、あのもし良かったらだけど……」
「うん?」
「彰さん…一緒に来ませんか、?あ、いや別に忙しいならもう全然大丈夫ですよ?!」
ああああああああああ!!!!ちょっと寂しいからって何誘ってんだよ!!
"え、俺が忙しいのわかってて言ってんの?"とか
"お前に付き合う暇ねぇよ"とか
言われたらどうしよう、、、!
ばかばかばか!!僕のばか!!!!
「ふふかーわい…いつ行くの?」
「え?あ、この1週間以内には行きたいです。後回しにしたら忘れちゃいそうで」
「そう…じゃあ明後日行こっか」
「はい……………ってえ?!?!い、いいの?」
「いいの、明後日は臨時休業にすることにしたから。後であいつらにも連絡入れとかないとな」
「で、でも…僕の勝手で」
1バイトの僕の都合で、皆の予定を変えちゃうなんて…
「……あいつらは仕事が無くなったからって蒼太を責めるようなやつに見える?寧ろ一日休みが増えてラッキーとか思ってんじゃない?」
そ、れもそうかも…
「確かに…そうかも、ね」
「だから気にしなくていいの、ほら明後日なんだから準備しなさいね?」
「はいっ!!!」
明日の仕事が終わったら、彰さんと一日中一緒、、、
嬉しい…な。
それに、いい思い出のない故郷でも彰さんと一緒なら怯えることなく帰れる。
「楽しみだなぁ…」
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