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完結後の世界 =10(真実③)
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透side
「そう、そして……___」
あの日、凪の母親から言われたのは2つ。
「京都に行きなさい」
「は?」
「貴方の地元、京都に行きなさい。そしたら東郷って人を訪ねるといいわ」
「意味わかんねぇんだけど。逃げんの?」
「私は貴方の父親について途中までしか知らない。根本から知ってるのは東郷しか居ないわ。勿論私を恨んでくれてもいい。でも恨むのは東郷に話を聞いてからにする事ね…私が京都行きの新幹線を取るから、少しでも早く真実を知りたいのであれば明日にでも郵便受けに入れておくわ」
そんなん誰が従うねん…って思ったけど、今のままやったららちアカンって思って明日行きますって返事した。
…京都なんか行って何がわかんねん。
===
そして、カバン1つぶら下げて京都へ向かった。
京都駅に着き、とりあえず詳しそうなおばちゃんらに「東郷の家ってどこですか?」って聞いてみたけど…
「とっ東郷?!そ、んなの口に出すだけで恐ろしい…関わんないでおくれ!」
…そう言って逃げられてしまった。
「はぁ??なんなんマジで…うざ」
道行く人に聞いたところで今みたいになるだろうと交番へ行って教えて貰った。
警察の人も慌てふためいてたけど。
「ここ、か…」
着いたのは昔ながらの和風の家で、敷地はものそい広い。
なんというか…ヤのつく人達が住んでそーって感じ。
「インターホンは…これか」
1回、ピンポーンと鳴らしてみたけど返答はなし。
2回目、もう一度鳴らすと「誰や」と低い声。
「突然すみません、東郷さんにお聞きしたいことがありまして。吉森…って言えば伝わりますかね?」
「はぁ?知らねぇな、さっさと消えな」
えぇ…
伝わるって言ってたやんか!!(((
え、じゃあなんて伝えりゃいいねん。
_頼みの綱も無くなって、困惑していた時。
「おいそこの若けぇの、オレんちになんか用かい」
後ろからドスの効いた声が飛んで、そう言った。
「…もしかして、組長さんで?」
確か、東郷組の組長は捕まっとって今ムショん中にいるはず…。
てことは、こいつが今の……
「おうそうや、現東郷組の頭なんやが……おんどれ、どこのもんや」
…はぁああああああ??????!!!!!!
組長登場とか聞いてないって!!
ちょ、まじビビるやんけ!!
ほんま勘弁しろって!!!
「ぇっと…吉森透って言います。吉森智の息子です」
っつい敬語なってしもたし!
「吉森ぃ?…あぁお前さん、あん時の奴か」
「?!分かるんっすか!」
「アイツやろ?薬売ってハマった挙句、組から抜けようして捕まった奴」
「……………………え?」
クスリ?
ハマった?
捕まった?
頭の中の情報が追いつかなくて、その場で棒立ちになる。
「…い、やいや…何言ってるん、すか…」
俺の記憶の父さんは、厳しくて、笑顔なんて見せへんくて、でも行事ごとにはいっつも来てくれて。
そんな父親なのに。
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