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42 仕事納め1
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クリスマス前に温泉の約束をしていた蒼と関口。
しかし、結局その夢は叶わなかった。
蒼はクリスマスのイベント時期で仕事を休めないし。
関口は細々と続けていた明星オケのクリスマスコンサートがあった。
せっかく楽しみにしていたのに。
いつもは実家に戻ることもなく、一人でテレビなんか見て過ごしていた蒼だったけど、今年こそは!そう思っていた。
だけど、それも叶わない。
ちょっぴりがっかりした。
結局、イヴの日は寂しいもの同士、星野と一緒に桜のお店で飲み明かした。
一人ぼっちのクリスマスじゃないだけましだった、今年のクリスマス。
事件はイヴの次の日に起こった。
ケーキ事件である。
蒼たちは、まさか人からもらえるなんて思ってもみなかったから、二人でケーキを1ホール予約していた。
ところが、クリスマスの日。
なんと、陽介がケーキを持ってきたのだ。
「どうせ男二人でケーキも頼んでいないだろうから」と言う父親の優しい心遣いだったらしい。
二つのケーキを前に途方にくれていた蒼。
更に、夜帰宅をした関口もケーキを抱えていた。
これは関口の実家からのプレゼント。
二人しかいないのに、ケーキが三つ。
どうしようもなくなってしまったケーキたちはみんなラップをして冷凍庫行きになった。
いくら食いしん坊の蒼がいるとは言え、一生懸命に食べても平らげられる量ではなかったから。
あれ以来、蒼は毎日のように冷凍したケーキを解凍しては食べていた。
関口に「太るぞ」と怒られたってやめられない。
甘いものには目がないのだから。
最初は途方にくれたケーキたちだけど、結局、蒼にとったら毎晩の楽しみのになってしまっていた。
毎日、毎日、ケーキを食べ続け、本当に太ってきた頃、年末はやってきた。
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