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大切な人のためなら
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ナギは共和国軍内部でスパイ活動をする傍ら、レオとアルルを保護して東の辺境にある旧王国軍の村に連れて行く計画を立てていた。
しかし、郊外に住むレオやアルルは常に厳重な監視下に置かれていたため近づくことができず、流刑の日を迎えてしまったという。
「ごめんな。なんとかお前やアルルさんが流刑になる前に助けたかったんだけど。」
「ううん、王子のくせにこんな役立たずなぼくのために命を懸けてくれるなんて……。こっちが申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。」
「レオ、お前は何一つ悪くないよ。たまたま時代がよくなかっただけさ。それにおれはお前が王子だからとかじゃなく、大切な兄弟や友達のように思えるからこそ命を懸けることができるんだ。」
共和国内では、王宮で務めていた者や軍人は徹底的に差別され、貧しく形見の狭い生活を余儀なくされている。
もしその中で一人でも旧王国軍と内通している者がいたら、その者の家族も含め全員死刑にされてしまうという。
スパイのナギの場合は、おそらく長期間拷問を受けた後に、残酷な方法で処刑されてしまうだろう。
なぜナギがこの危険な任務を敢えて買って出たのかというと、それは本人の言う通り心からレオのことを大切に思っているからだ。
身寄りのないナギにとって、立場の違いはあれど、レオは家族のようなぬくもりを感じる存在なのだ。
「2人は身分を越えた仲なんだな。」
勇がそう言うと、ナギは慌てて答えた。
「あ、ね……念のため言っておくけど、おれとレオは兄弟のような関係であって、決して恋仲とかそういうもんじゃないからな! 安心してくれよな?!」
「べ……別にそういうつもりで言った分けでは……。ちゃんと分かってるから大丈夫だよ。ところで、なんで共和国は今さらレオの命を狙うんだ?」
ナギが言うには、共和国は日に日に勢力を増していく旧王国軍を恐れて、時期王となるレオを暗殺して士気を大幅に下げようと企んでいるそうだ。
「地方にも共和国の体制に不満を持つ人々はかなり多くてさ。彼らの力を借りて、各地でゲリラ戦を展開しているんだ。まだまともに反撃する力はないけどいつかは……。」
真剣な顔で話をするナギの表情は若干18歳の少年とは思えないほど凛々しい。
そんなナギを見て勇は自分を情けなく思ってしまった。レオやナギよりずっと年上なのに彼らより力が弱く、この先足手まといになるのは確実だからだ。
「ところでレオ、おれは王国軍が優勢になるまでこのまま人間界に残り、お前を護衛することになっている。きっと新たな刺客も来るだろうしな。」
「ナギがいてくれたら心強いよ。ただ、当たり前のことを一つ聞きたいんだけど、最終的に王国軍が勝ったらぼくは魔界に戻って王になるんだよね……?」
ナギは少し苦い表情をして答えた。
「ああもちろん。そのためにみんな必死で戦ってるんだ。でも、おれはお前と勇との関係を知ってしまった以上お前が躊躇する気持ちは理解できるよ。」
「……ごめん……。」
レオがそのうち魔界に帰ってしまうかもしれないという話を聞いた勇は、頭の中が真っ白になった。ただでさえ先程まで弱くて頼りない自分を嘆いてたのにも関わらず、さらに追い討ちを食らった気がしたようだ。
「とりあえず共和国への反撃はまだ始まったばかりだ。時間はたっぷりある。今はここでの生活を頑張ればいいさ。」
「あと、おれと同じぐらい、若しくはそれ以上にお前のことを大切に思ってくれてるそこのお兄さんとの思い出もたくさん作れよ。」
ナギは拘束したままのゼルの様子を見てから、そのまま近くにある仮住まいに帰ると言って、勇の家から出ていった。明日からレオを護衛するため毎日顔を出すという。
日常生活にナギも加わり、勇の周りの環境はまた一段と変化する。
勇はレオを優しくそっと抱き締めて、声を震わせて言った。
「レオ……おれはナギやお前のように強くない。この先確実に足手まといになるけどどうか許してくれ……。それに、おれはお前とずっと……!」
レオも勇を抱き締めて囁いた。
「勇、何言ってるの。勇はぼくのためにこの傷を耐えてくれたじゃない。ナギにもその気持ちが伝わって、勇は自分以上にぼくを大切に思ってくれてる人だって言ってじゃん。」
「そんな強い勇がいてくれたら、ぼくはどんな困難な状況でも乗り越えられると思うんだ。だから、ぼくもずっと勇と一緒に……。」
自然と2人の唇は重なり、しばらくの間お互いの粘液と吐息で感じ合った。
「ふふっ……勇とぼくのこんなんにピンとなっちゃったね……。お互い大ケガしてるくせに元気なところはしっかり元気だなんて。」
「レオっ……!」
勇はレオの下衣を下げて、生意気に背伸びしたソレを咥え、ジュポジュポと音を発てて吸い付いた。
「ひゃんっ!だ……だめっ! 勇! ケガ悪化しちゃうっ!」
「ごめんレオ……おれ我慢できなくて……!」
レオは大好きな勇が一生懸命口でしてくれてるのが嬉しくて、早くも奥から熱い液が込み上げてきた。
「も……もうなんかきちゃう! あっあっ!! 」
レオの純白に近い体液は勇の口内に弾け飛び、ゴクンと飲み込まれてしまった。
「もうエッチ……。次はぼくの番だからね。」
2人はしばらく怪我の都合上セックスはできないが、完治するまで勇とレオは指や口を駆使して堪能するようだ。
新たな問題が増え、これからの行方がどうなるかまだ2人には分からない。しかし、魔界の戦士・ナギも仲間になったことで心強いはずだ。
信頼し合う仲間で助け合い、これから迫り来るであろう脅威に立ち向かわなければならない。
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