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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
国王の招待9
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「え、あの、誰が、誰の、何になるですって……?」
「お前が、ロストの、恋人」
ご丁寧に身振り手振りまで交えつつゆっくりと言ってくれたレクシリアだったが、そんなことをして貰ったところで意味不明なものは意味不明だ。
「あの、宰相様は、大変お疲れのご様子です。休まれた方が良いのではないでしょうか」
「そりゃまあ、あの馬鹿のせいでお疲れではあるが、休んでる暇もないしなぁ」
「いえ、でも、僕のことを陛下の恋人様と勘違いされるくらいですし、相当お疲れかと……」
その言葉に、今度はレクシリアが間の抜けた声を出す番だった。
「はぁ? なんだって勘違いになるんだよ。……ああ、そうか、もしかして恥ずかしがってるのか? まあそれも仕方ねぇな。ロストは歴代最高と名高い王だ。あれだけ優れた良王の恋人になるとなれば、そりゃ恥ずかしく思うことも不安に思うこともあるだろうよ。だけど安心して良いぞ。グランデルの国民は皆お前の味方だ。ロストが選んだ人間を民が貶める訳がない」
「え、ええと……」
そういう話はしていない。
「それとも、男同士だってことを気にしてるのか? それも不安になる必要はねぇぞ。ロストがお前を選んだのなら、それが最良ってことだ。性別でどうこう言う奴なんて、この国にはいねぇよ」
優しい表情で微笑んだレクシリアが、少年の頭を撫でる。その接触に少年が小さく身体を震わせた瞬間、来賓室の扉がノックもなしにいきなり開いた。
驚いて扉の方に視線をやれば、そこに居たのは、少年に似た顔の青年。そう、ロンター公爵の筆頭秘書官グレイであった。
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