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プロローグ
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昼休みも終わる頃。なぎ倒された机や椅子。床に倒れ込み、鼻血を垂らしながらこちらを心底怯えたような目で見つめるクラスメイト。
焦ってやってきた教師達に押さえつけられながらも、獣のように息を歯の間から漏らし、怒りを顕にせずには居られなかった。
ここで俺の高校生活は終わってしまった。折角入学した進学校。成績だって上位をキープして、周りの連中とは交わらずに息を殺しながらずっと生きていたのに。母さんは、がっかりするだろうか。
「ミハイル学園…?」
暴力沙汰で退学処分となった後、両親に見せられたのは私立の男子校のパンフレットだった。
テレビなんかで何度か目にしたことがある。政治家や資産家、芸能人の息子なんかが通っていることで有名な学校だ。
そのパンフレットを、なぜ今俺は目の前に突きつけられているのだろう。
また、ミハイル学園は全寮制ということでも有名である。学園とその寮自体は都内でもかなり辺鄙な場所にあり、周りに他の建物は一切ないらしい。
そんな所を勧められるということは、両親に見捨てられてしまうのだろうかと一抹の不安を覚えたが、母さんと父さんはそんな俺を優しく抱擁してくれるのだった。
両親は俺がクラスメイトに暴力を振ってしまったことに関して、理由を聞いた上で叱ったあとに許してくれた。正直もう学校になんて行きたくなかったけれど、大事にしてくれた父さんと母さんのことをこれ以上悲しませたくはない。
ちょうど今は学期末のテストが行われる頃だったから、俺は編入試験を受けてから新たに2年生としてそのミハイル学園に春から編入することになった。
この時はまだ、先に待ち受けている運命に気づくことすらなかったのだ。
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