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〔17、一難去ってまた一難 -1-〕
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家まで帰れると思ったんだけど、体に力が入らない。
このままここにいてもどうにもならないことはわかっている。でも全然下半身が動かない。頭もクラクラして正常な判断ができない。
「……っ」
早く触りたい。早くイきたい。でも……こんな公共の場でそんなこともできるわけなく……
誰か呼ばないと……でも誰を呼ぶ……?
純佑様は忙しい。折原様も何かあったら連絡してとは言ってくれたけど、忙しそう。
伊織先生は……?たぶんダメだ。あの人も本当は忙しいはず。
誰を呼べばいい……優真?いや、ダメ。忙しいのもあるけど、こんな恥ずかしい姿見せられない。
どうしよう……どうしよう……
考えている間に人が来た。ヤバい……男だ。逃げなきゃ……
力が入らない足を近くのガードレールを持って立ち上がらせる。
汚いとか考えている暇はない。ゆっくりと一歩ずつ進んでいく。
「あの……大丈夫ですか……?」
通りかかった男が俺に話しかけてきた。
心配そうな声だけど、獲物を見つけたような目。
聞こえないフリをして歩き続ける。
でも……
ガッ……肩を掴まれて動けなくなる。
「ちょっ……」
「お兄さん、それそのままにしても治らないよ。俺が抜いてあげる」
男が指したのは俺の股間。そして徐々に近づいてきて触ろうとする。
パシッ……
「や、やめてくださいっ……」
触ろうとしてくる男の手を振り払う。
「……そういう感じなんだね。それなら……俺も本気出そうかな……」
「ひっ……!?」
強引に俺の股間を掴みやらしい手で撫でてくる。
「……っ、やめろっ……」
手を離そうと抵抗するけど、全然力が入らない。
「嫌がってるわりには可愛く反応してるよ……?本当は触ってほしかったんでしょ……?」
「そんなわけ……っんンッ」
マジでヤバい……気持ち悪いのに我慢してるせいかめちゃくちゃ感じてしまう。どうにか早く逃げないと……このままだと本当に……
イヤだ。絶対イヤだ。こんな見ず知らずの男に犯されるなんて……
『空邪さん』
不意に翔空の声が聞こえた。何でこんな時に……
『大丈夫……俺の声を聞いて……』
ゆっくり深呼吸して聞こえてくる声に耳を傾け、目を閉じる。
『ん、いい子』
優しく笑って頭を撫でる翔空。聞こえてきた声のおかけだろうか……少しだけ足に力が入る。
「あー、ガマンできねぇ……」
男がベルトを外そうとする。男が油断している隙に男のすねをめがけて蹴りを入れた。
「いっ!?」
当たったところがちょうど弁慶の泣き所のようで、足を抱えて座り込んだ。
よし……隙を見てその場から逃げ出し、再び歩き出した。
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