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20、発情 -1-
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〈翔空side〉
ダメだ、ダメだ……
空邪さんのフェロモンが俺の理性を壊そうとしてくる。
早く空邪さんを運ばなきゃいけないっていうのに……俺の頭の中は空邪さんを抱きたいって、めちゃくちゃにしたいって思ってる。
「ハァハァ……」
無意識に一歩ずつ近づいていく。
このまま無理やりにでも犯そうか。乱れた服を全部破いて、俺の印をつけて、俺を忘れられなくなるくらい体に刻み込んで……
そう思ったんだけど……
空邪さんの顔が映る。目をつぶっていて犯されてもいいって感じで、無防備状態。何で……一瞬、足が止まった。
もしかして、諦めてる……?兄貴と別れたときみたいにどうでも良くなって、もう誰でも良いからどうにかしてって思ってる……?
俺はまだ空邪さんの中では、兄貴の弟でまだ友人とか知り合いのレベル……?
一度体を重ねただけのしつこい男で終わってるのか……?
……そんなのイヤだ。
倒れた空邪さんを抱きしめ、暴走しそうな欲望を制御するために手の甲を噛んだ。
「フーフー……ハァハァ……」
思いっきり噛んだから、歯が食い込んでめちゃくちゃ痛い。でもこうでもしないと本当に襲いそうで……
正直舐めてた。発情期間は大変だって聞いてはいたけれど、そんなの自分次第でどうにかなるって思ってた。でも、現段階でもうすでに襲いそうになっている。
甘かった……容易に受け入れるべきではなかったのかもしれない。
でも……これはチャンスかも。約1週間、一緒にいて空邪さんを襲わなかったら心を開いてくれて、一人の男としてみてくれるかも……
フーッと息を吐き、何度も言い聞かせる。
「襲わない……空邪さんが俺を受け入れるまでは、絶対に襲わない……」
気持ちを落ち着かせ、空邪さんの荷物から家の鍵を探す。
そして空邪さんを抱きかかえ家へ連れていきベッドに寝かせた。
「すみません、ちょっと出かけます。何かあったら連絡してくださいね」
俺は空邪さんの家を出た後、ある場所に向かった。
それはもちろん……伊織先生の診療所。
「どうすればいいんすか!?」
「大声出さないでちょうだい……一応ここ病院よ?今日は休日だから良いけどさ……」
「そんなこと言ってる場合じゃないんですっ!空邪さんの発情、どうにかできないんですかっ!」
「そう言われてもどうにもできませーん。原因不明な上に病名もはっきりしてない。純ちゃんからも聞いてるでしょ?対策とか」
「聞いてますけど大変なんですっ!始まったばっかですけど、さっきもフェロモンにあてられて襲いそうになったし……梓や清水さんみたいに恋人なら、こんなに悩まないですよ!恋人ならいっぱい甘やかしたり、相手をしてればいいですけど……俺達はそうじゃないですから……」
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