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俺が空邪さんを好きでも、相手は違う。俺のこと嫌いじゃないとはいえ、あの人の中で俺の存在がどこなのかはあまりわかんない。
恋人でもない、友人でもない。俺が好きじゃなかったら、アタックしてなかったら、兄貴の義弟で終わる。
「はぁ……どうしたらいいんですか……安易な気持ちで発情期間のとき傍にいるって決めて、チャンスだと思って襲わないことを決意したのは良いものの、何も考えてなくて……空邪さんが発情期間中、どんな風になるのか聞いたことないんで、対策をしようにもできなくて……」
「染谷は普段と違って甘えてくる」
「えっ……?」
振り向くとなぜか清水さんがいた。それにあずさも……
「とあ、ヤッホー」
「え、何で……」
「んー?定期的な診察?っていうのかな……伊織先生と月に一度、体のこととか悩みとかを聞いてもらってるの。ちょっとしたストレスとかで、発情したりしちゃうからって伊織先生の貴重な休みをもらって通ってる」
「染谷もたまに来てるようだ」
「空ちゃんの場合は仕事帰りとかにね。純ちゃんと違って気を遣ってくれて」
「一言余計だ。……話が逸れた。折原から聞いた。染谷が発情期間に入ったって」
「はい……俺、どうしたらいいかわかんなくて……空邪さんがどんな風になるのかわかんないんで対策しようにもできなくて……あ、でも前に言われたことがあって」
「何を、だ?」
「えっと……今の自分と、発情期間に入ったときの自分を混同させないでくれって……全然意味がわからなくて……」
発情期間だからって、人ってそんなに簡単に性格って変わらないと思ってるんだけど……そういうものじゃないのかな……
「お前はバカだな」
「は?」
急に何だ……?
「そのまんまの意味だろ」
「そのまんま……?」
「とあ、話したでしょ?発情期間入ると急に寂しくなったり、怒ったり、甘えたくなったりとかするって」
「あぁ……」
「それが空邪さんにもあるってこと。普段は真面目でクールなイメージかもしれないけど、空邪さんだって発情期間に入ったら甘えてくるって話。それを混同させられても困るんじゃないの?イメージが崩れるとか」
空邪さんが……俺に甘えてくれる……?
『とあ……ギュッして……』
「フフフ……ッ」
甘えてくる空邪さんを想像する。
「気持ち悪い」
「あー、変なモードに入っちゃったね……とにかく、とあ。空邪さんがどんな状態になっても混同させないこと。今の空邪さんは繊細だから発言や行動には気をつけること!いいね?」
「了解しましたッ!咲坂翔空、愛しの空邪さんのために頑張りますっ!」
俺は万が一の場合のための抑制剤と解熱剤をもらい、急いで空邪さん宅に戻った。
「ねぇ、俺……物凄く心配」
「同じく」
「まぁ、バカでも何とかなる」
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