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21、訪問 -1-
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えー、今、私咲坂翔空は好きな人の家に来ています。
名前は染谷空邪さん。普段はクールで大人な印象を持つ人が多いと思います。
しかし……
「とあに食べられたい……」
発情期間に入ってこの人のキャラが崩壊しかけています。この先一体どうなるのでしょうか……!?
・・・と、言ってる暇なんかない。
「ベッドいこっ?」
考える間も与えられず腕を握られ、連れていかれる。
「ちょ、ちょっと……く、空邪さん……」
誘われるのは嬉しいけど……あんたはそういうキャラじゃないでしょ!
「待って空邪さん……」
「やだっ……」
ベッドに押し倒されシャツを脱がそうとしてくる。
マジで待ってくれ。抱きたくないわけじゃない。でも今の空邪さんを抱いて自分のものにしても、本当の意味で好きになってくれたわけではない。
空邪さんのことは好きだ。もちろんこうやって甘えてくれるのも、困惑はするがすごく嬉しい。
でも……
空邪さんの手を取り、話をする。
「空邪さん」
「なに?」
「本当に俺に食べられたいの?」
「うん……」
「何で?」
「とあが……すき?だから?」
首をかしげながら質問に答える。
「本当に好きなの?」
「ん??」
「俺の好きって気持ちと一緒なの?」
「とあの好き?」
「うん。俺の好きは……空邪さんの心も体も全部俺のものにしたいっていう好き。キスもハグもエッチもしたい。でもそれだけじゃないよ。空邪さんの好きなことも嫌いなことも、全部知りたい。空邪さんを幸せにしてあげたいって思ってる」
好きになっただけじゃない。空邪さんの全てを受け入れて守ってあげたいって、幸せにしてあげたいって思ってる。
俺はバカだけど、誰かを一途に想って幸せにすることくらいはできる。寄り添って一緒に歩んでいくことはできる。
辛いときも楽しいときも共有することだってできる。でもそれは空邪さんの近くにいなきゃできないことだから。
「空邪さん、俺は空邪さんのこと大好きです。今でも食べちゃいたいって思うくらい大好きで、必死に我慢してます。でも……俺は空邪さんを大切にしたいから。普段の空邪さんが受け入れてくれるまで待ちます」
「とあ……」
ギュッ……
「とあ、大好きっ……」
「よしよし」
空邪さんの頭を撫でる。
・・・ふぅ。あっぶねぇ……危うく手を出しそうになったわ。
予想以上にきついな。空邪さんといい、フェロモンといい……強烈過ぎる。
やっぱりここに来るべきではなかったのかも……いやいや、空邪さんに受け入れてもらうにはこの難関を乗り越えなくては。
全ては空邪さんに好きになってもらうため。
咲坂翔空の試練はまだ始まったばかり。
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