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〔-4-〕
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「とあ……?」
「…」
着替えが終わって飲み始めた頃。翔空のテンションが急に下がった。
お酒を飲んではチラチラこっちを見て。不満そうな顔して黙ったまま。
原因は何となくわかるけど……それは仕方なくない?
たぶん『優真のために買った』ってことが気に入らないんだと思う。
そんなこと言ったってさ、もう何十年も付き合ってたんだから優真のために買ったものが残っていてもしょうがないだろう。
まぁ、優真のこと出した俺が悪いけどさ……
てか!何で恋人でもないこいつのことで、こんなグルグル考えなきゃいけないわけ!?こいつが泣こうが、わめこうが、変な顔しようが、関係ないだろ。
恋人じゃないんだし……
チクッ……
・・・ん?今、何かチクッてした。
何で……?
・・・て、そんなことはどうでもいい。
「何、怒ってんだよ……酒がマズくなるからムスッとしたまま飲むな」
「別に?怒ってませんけど?」
ケンカ腰に言う翔空。明らかに怒ってるんだけど。
さっきは機嫌良かったのに……何だよ。情緒不安定かよ。
あ、もしかして……
「もしかして眠いのか?」
「べ、別に……眠くなんか……」
眠くなると手が熱くなる。それを思い出し、翔空の手を握る。
「な、なに……」
「熱い……やっぱり眠いだろ。もう1時過ぎてるし、そろそろねて……」
「やだ」
翔空はプイッと顔を背けた。
お前はケンカして拗ねた小学生か。
「もうちょっと空邪さんの顔を見てたい。空邪さんと一緒にいたい」
「別に帰れって言ってるわけじゃないし、眠たいのを我慢して俺に付き合わなくていいって言ってんだよ」
「でも、寝たら空邪さんのこと見れない……」
「何だそれ」
酔ってんな、こいつ。
「空邪さんの可愛い顔、いつまでも拝めるわけじゃない……明日は休みだけど、終わったらまた会えなくなる……だから目に焼き付けたい」
ヘンタイか。いや、こいつはヘンタイだったわ。
「はいはい、いつでも拝ませてやるから……さっさと寝ろ」
「あー……俺のお酒ぇ……」
翔空から酒を奪い、寝室へと連れていく。
「空邪さん……一緒に寝てくれる?」
「はいはい」
「はいはいじゃない!一緒に寝るって言って!」
「寝ます、翔空と一緒に寝ます……」
どうせベッドは一つしかないし、客用布団を出して俺が寝ても、酔っ払いはどうせ入ってくるだろう。だから手間を増やすよりは最初から一緒に寝ることを選んだ方が楽だ。
「はい、どーぞ!」
「はいどーも」
酔っ払いの翔空に流されるがままベッドに入る。
どうせこいつと一緒ならよく眠れるだろう。
酔っ払いだから何もない。そう思って目を閉じた。
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