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あの家に出来る限り居たくなかったため、短縮授業や式典がある日は学校から家までの中間辺りにある公園でひとり時間を潰していた。
(5年生になって6ヶ月弱か……)
ブランコを軽く漕ぎながらそんなことを考える。
転校した先の学校は制服・私服のどちらでも良い学校であったため、夏でも長袖を着ることが出来るのは、暴行され酷い痕がある俺にとっては不幸中の幸いだった。
誰かにバレでもしたら、どんな酷い目にあうか…
お金も頼る宛てもない俺はあの地獄の様な生活にただ耐えるしかなかった。
(こんな生活が続くくらいなら…だれか、おれを…)
「…ねぇ、君…」
「っ!?」
突然声をかけられ、ビクリと身体が跳ねた。
声をかけてきたのはとても整った顔をした近所の中学校の制服を着た青年だった。
(びっくりした…ビクつきすぎて不自然に思われなかったかな…)
「君、一人なの?」
「ぇ…ぁ……」
人とできるだけ接しないようにしていた俺は、クラスメイトとも殆ど会話をしていなかった。そのため、あの家の人以外と話すのは久しぶり過ぎて上手く言葉を紡ぐことが出来なかった。
声をかけてきた青年は俺の目を真っ直ぐに見つめて答えを待っているようだった。
「…は、い…」
「そっか…じゃあ、お兄さんも隣で一緒に遊んでいい?」
そんなことに俺の許可を取る必要があるのかと思いながらも、彼の言葉に頷いた。
すると彼は「ありがとう」と一言いうと俺の隣のブランコに座った。
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※人物紹介ページの千世の年齢を修正しています。
作品途中で修正してしまい申し訳ありません┏●
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