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「なに心配してんだよ。
あいつとはそんなんじゃないって!」
最初は変なやつだと思ったけど
話してみたらいい奴だった。
こっちに来てからの初めての友達だし…
でも、少し浮かれすぎたか。
「それにしては、嬉しそうだったけど?
鼻歌まで歌ってさ。
そりゃあんな綺麗な顔のやつに言い寄られたら
嬉しいよね。」
「そ…れは…」
「ほら。
はぁ…もういいや。
ごめん、今日はもう寝るね。」
ため息をひとつついて、
これ以上は意味が無いと言うような表情を浮かべて、
背を向けた煉を引き止める。
「や、ちょっと待てって!
確かにちょっと嬉しかったけど…
でもそれはこっちで初めての友達だからだし!
…確かに綺麗な顔はしてるけどそこは重要じゃねーよ。
そんなんで不安になるってことは、
俺が煉を見た目で選んでると思ってるわけ?」
「……。」
煉は何も言わずにただ俯いている。
「あのな、俺はそもそも普通に女が好きだった。
それを変えたのは煉、お前だよ。
煉だから好きだと思えたし、
煉だから性別なんて関係なく恋愛したいって思った。
俺を変えたのは煉なんだよ。
だから、その事忘れて他の奴と…とか、ないし。
ってか煉以外の人と恋愛とか考えらんねぇから。」
「健…っ……。」
「えっ、ちょっ!なんで泣くんだよ!」
いきなり泣き出した煉の対処に困りつつも
大丈夫だから、そう繰り返して抱きしめた。
煉は涙脆くてよく泣くけど、
その分俺のこと想ってくれてるって分かってる。
だから俺はその涙を見る度に少し嬉しくなる。
そんな煉を見るとどうしょうもなく愛しくなって。
煉のこと好きになって良かったって、
マジで、そう思ってるよ。
心の中で呟いて、腕の中の煉をぎゅっと抱きしめた。
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