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熱誠カタルシス ーあきらめ、ない。ー2
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聖藍中学には、校内には『学生ホール』と名のつくスペースが3ヶ所ある。
放課後そのうちの一つで、颯斗と律基は話をしていた。
ここは教室がある本館からは遠く、生徒会室や小講堂がある東校舎。
別名、『特別棟』の一階にあるホール。
普段でさえ、あまり利用者が居ないこの学生ホール。
今は二人の貸し切り状態だ。
「シカトおさまって、よかったね!」
律基がにっこりと笑顔を向ける。
クラスに律基がちょくちょく訪れるようになり、西嶋が会話に加わる状況が増えた。
そうすると、周りの態度に変化が現れはじめた。
外部入学のクラスメイトは、同じ立場の颯斗に対して罪悪感が大きかったらしく、すぐに『ごめんね』と謝ってきた。
それから徐々に、ごく一部を除くクラスメイト達からの無視は無くなり、今では颯斗にとってD組はそう居心地の悪い場所ではなくなっている。
「川那辺のお陰だよ!」
「そんな事ないよ~」
と律基は笑うけど、彼が居なかったらどうなっていたかと思うと…今でもすごく怖い。
「でも、綾世の人気ってすごいのな…ビックリだけど、なんだか嬉しかったりもして……」
「…………」
律基はしばらく黙っていたけれど、静かに口を開く。
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