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熱誠カタルシス ーあきらめ、ない。ー7
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「はぁ?! 川那辺…なに見てたんだよ? 俺、思いっきり無視されてただろ~…」
大きなため息を吐く。
「うん。あからさまに、無視されてたね」
恨めし気な視線を向ける。
律基は、その視線に小首をかしげた。
「…川那辺。なんだよ~俺にケンカ売ってんの!?」
颯斗を見て、クスリと笑う。
「まぁさか~。あのね、あんな櫻木さんを見たの初めてなんだ。いつもね、誰とでも気さくに話す人なんだよ…上辺では……ね。ましてや、名指しで呼び止めたりしたら、絶対だよ」
「………どういうこと?」
律基はため息を吐き、大きな目を伏せる。
「幹君のことは、徹底的に無視してるよね…。 二の舞を踏みたくないんじゃないかな……。 昔の………」
「えっ…?!」
「これは、僕の考えなんだけど…。櫻木さんは、自分から突き放す事で幹君を守ろうとしているんじゃないかなと…僕は思うよ……」
本当に…?!
律基の推測に過ぎないけれど、そう言われると、沈んでいた気持ちが一気に浮上する。
「なんだよ、それ…!そんなことされても、全然嬉しくないのに…くそっ!!」
「……………」
颯斗の言葉に、律基は俯いていた。
「川那辺、サンキュな! そう思うと、まだまだ頑張れるような気がしてきたよ。俺、絶対諦めないから!」
颯斗は、できるだけ明るく笑顔で言った。
「うん、頑張ってね! 僕に出来ることがあったら、何でも協力するから」
「あぁ、頼むよ!」
颯斗を見る律基の瞳が、何故だかうっすらと潤んでいるように見えた。
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