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熱誠カタルシス ー偽りと、真実。ー2
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柔らかな髪が、ふんわりと颯斗の頬を撫でた。
体勢を立て直そうとする綾世を、颯斗はそのまま抱き竦める。
それとほぼ同時に、ドアが開かれる音が講堂内に響き、1年の各クラス委員長が連れ立って入って来た。
颯斗と綾世の様子を見て、みんなが一瞬動きを止める。
「あの…、何かありましたか?」
それは、綾世へ向けられた言葉。
さながら、”不審人物”と”被害者”といった風に見えているのだろう…。
勿論、彼らにとって不審者が颯斗である。
「いっ、いや…あの……」
颯斗はしどろもどろになるけれど、綾世は落ち着いていた。
「躓いてしまって…。幹君、支えてくれてありがとう。さぁ、みんな悪いんだけれど、机を中央に移動するのを手伝ってもらえるかい?」
にっこりと笑う綺麗な笑顔。
「「「は、はい!」」」
向けられた者、みんなが見惚れ、頬を染める。
それほどに、綾世の笑顔は美しい。
けれど、それは『作られた笑顔』だという事を、颯斗だけは知っていた。
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