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純真メランコリー 34
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「応援……?」
「そうだよ…。幹くんは、例えみんなが反対しても、綾ちゃんが決めたことなら一人ででも応援するって…。僕にはそんな事…出来ないもんっ!」
そう叫ぶと、律基は保健室を飛び出す。
「律!!」
「おいっ!川那辺!!」
その後を綾世と西嶋が追う。
颯斗は椅子を蹴倒し、慌てて綾世の腕を取った。
「綾世さんっ!」
振り向いた綾世は眉間に皺をよせている。
それは、律基を心配する表情なのか、颯斗に引き留められた事に対してのせいなのか、判断しかねた。
「颯斗…。律に聞いてるみたいだけど…。今度、ちゃんと話す。今は…ごめん!」
そう言って颯斗の腕を振り解くと、律基と西嶋の後を追って行く。
保健室は、颯斗一人残されてしまった。
行くんだ……。
…行ってしまうんだ………。
律基が颯斗にした話を、はっきりと物を言う綾世が否定しなかった。
それは、マークさんと一緒に行くと、すでに決めているからではないのか?!
『……綾ちゃんが決めたことなら、どんなことでも応援できる?』
颯斗が学校を休んだ日の夜に、律基と電話でした会話。
律基はこのことを言っていたのか…?
と、今更ながら気が付く。
………応援なんて…。
綾世が居なくなってしまうのに……出来る訳ないじゃないかよっ………!!
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