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ふん、だっ!
「行くよ!」
気合いをいれて手裏剣を構えた小夜の横で、光太郎が動いた。
「俺も!ポッポーッ!ポッポ、ポッポーッ!!」
「!!」
ザシュッ!!
ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ!!
光太郎くんの投げた手裏剣は、的のど真ん中に突き刺さった。
おれはびっくりして、思わず口を両手で塞いだ。
・・・そうだった、光太郎くん、この時、居た・・・っ。
小夜は、頭の奥がクラクラした。
が、学校で触れ回られたら、恥ずかしくて死ねる!!
や、やだーーーー!!!
一方、風見は吹き出したいのを意思の力で押さえ込んでいた。
だって、絶妙なタイミングでポッポ言うから!!
ひ〜〜!!
小夜を見ると、真っ赤な顔で震えている。
これ以上揶揄うと、完璧に拗ねるのが想像できた。
光太郎くんがボソリと言った。
「に、忍法、ポッポ・・・。」
ブブッ!
ヤバイ、笑える。
「にぃちゃ、しゅごい!」
「ポッポかっこいい!!」
グフッ!
喉が鳴る。
「ご、ゴホンッ!小夜、投げたら?」
「うう〜〜!!」
「po-po?」
(警察官?)
ブブッ!
「No, policeman!」
(警察官じゃありませんよ)
震える声で外国人に説明した。
「It is a shout,po-po.」
(ポッポとは、掛け声のことです。)
掛け声がshoutでいいのか微妙だが、ニュアンスは伝わったようだった。
「Okey,po-po!」
プハッ!!
もう無理だった。
外国人に間違った日本語を教えてしまった感、満載!
ふたり、ポッポポッポ言いながら手裏剣を投げ出したのだ。
それにはゲラゲラ笑った。
美湖ちゃんも大吾くんも、ポッポポッポ言っている。
小夜も最後は苦笑して、一緒にポッポ言い出した。
「アハハ!」
みんなで笑った。
施設の人も、笑っている。
なんだか一体感が生まれていた。
「忍法ポッポは凄いですね。」
「にぃちゃは、しゅごいの!てんさいなの!」
忍者へ大吾くんが一生懸命説明している。
「うん、そうだね。お兄ちゃんはすぐに忍者になれそうだもん。」
「だいごもなるー!」
「ふふ、じゃあ、大きくなったら一緒に忍者しようね。」
「うん!」
そう言って、笑顔でチームポッポに声をかけた。
「では最後に忍者の九字印(くじいん)をやって終了したいと思います。」
九字印、つまり九字護身法は、臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前と唱えながら印を切るものだ。
これが意外に速くて難しい。
光太郎くんは必死で食いついていた。
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