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電話の終わったトオルさんは、申し訳なさそうに俺に手を合わせた。
「ごめん、4時に人と会わないといけなくなって。」
電話の内容から分かってたことだけど、ショックだった。
でも、大人だから、悲しい顔は出来ない。
精一杯の笑顔で、俺は頷いた。
「うん。・・・晩ご飯、キャンセルでいい?」
「え。」
トオルさんが慌てて首を振った。
「違うんだ。良かったら、一緒に付き合ってほしい。」
ん?
「3人でご飯食べるってこと?」
「違う違う!」
トオルは、日本語が通じなくなっていることに焦った。
「いまから一緒に荷物受け取りに行って、荷物もらったらご飯は俺と貴志のふたりきり!」
「・・・荷物受け取るだけ?」
「そう!」
良かった。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
何となく告白するタイミングを逃してしまった。
トオルは頭を掻き毟りたいのを精神力で抑えて、貴志の肩を抱いた。
「とりあえず、その前にお茶しに行こう。」
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