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問題だらけの勉強会 22
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俺は、先輩を受け入れるかのようにゆっくり目を閉じる。
そして、先輩のものが俺の中に入ろうとした。
そのとき…
ドンッ!!
「え??」
ドアの方から鈍い音が響く。
俺は閉じていた目を勢いよく開けて、ドアの方を見つめる。
その音を聞いた先輩も、行為を止め、ドアの方に視線を送った。
ドンッドンッドンッ!!
誰…??
音が大きくなるにつれて、俺の鼓動も早くなり、緊張が募っていく。
ドンッドンッドンッ…ガッシャン!!!!
とうとうドアが壊れ、勢いよく扉が開いた。
光が反射して、顔が見えない。
わかるのは、荒い息遣いから、走ってきたということ。
そして…
「先輩!!」
「っ!!」
聞き慣れた声。
ずっと聞きたかった声。
篠原の声。
「しの…はら??」
「っ!!…何やってるんですか??」
「…え??」
篠原は俺たちの方にゆっくり近づいてくる。
聞いたことのない、低い声を響かせながら、ゆっくりと。
そして、俺たちの目の前まで来ると、足を止めた。
そのとき、わかった。
今の俺と先輩の状況を。
そして、それを見て、篠原が怒っていることも。
「あの、篠原…」
「っ……んのやろ!!」
バシッ!!
「篠原!!」
一瞬だった。一瞬の出来事だった。
篠原が先輩の胸ぐらを掴み、勢いよく殴りかかった。
鈍く痛々しい音が体育倉庫内に響く。
「おい、やめろ篠原!!」
俺もすかさず止めに入る。
篠原の腕を掴み、先輩から引き離した。
先輩は、「いってー…」と切れた口を押さえていた。
そして…
「篠原…??」
俺は気づいた。
篠原の震えている体と今にも泣きそうな苦しい表情。
あぁ…まただ。
俺はまた、篠原にこんな顔をさせた。
こんな思いをさせた。
もう、させたくないって…させないって誓ったのに。
「もう、行こう…」
「…え??」
「行こう、篠原…」
俺の言葉に気にくわない様子の篠原。
「あいつは、先輩を傷つけたんだよ!!こんなんじゃたんねーんだよ!!許せねーんだよ!!」と大きな声を上げる。
でも、俺はもうこの場にいたくない…。
篠原を傷つけた、この場所に…。
先輩の顔も見たくない…。
篠原のその言葉やその気持ちはいたいほどうれしい。
だけど、今すぐ逃げ出したい。
だって、この場所にいると、俺はどんどん汚くなっていく。醜くなっていく。
自分がどんどん嫌いになっていく。
「もう、ここにはいたくないんだ…」
「え??」
掠れた小さな声を絞り出す。
ここにいると、「おまえは汚いんだ!!」って言われているような感覚になる。
「いやだ…。ここにはいたくない…。いやなんだ…。」
怖い…!!
「っ!!」
次の瞬間、篠原の爽やかな香水の香りに包まれた。
肌に当たる温かい体温。
安心する。ずっとこうしていたい。
俺は、篠原の腕の中にいた。
「しの…はら??」
「ごめん、先輩。ごめんね…」
篠原は、ゆっくり俺から体を離すと、自分の着ていた上着を俺にかけ、ズボンも器用に着せてくれた。
そして、再び抱きしめられる。
「ごめん、先輩。」
さっきからこいつは何を謝ってるんだろう…
俺のほうが悪いのに…
俺のほうが謝らないといけないのに…
でも、声がなかなか出ない俺は、結局何も言えなかった。
そして、「帰ろう、先輩。」と、一言だけ告げるられると、篠原に腕を引かれて俺たちは啓介先輩を残したまま体育倉庫を後にした。
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