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好き、嫌い、好き 02
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「俺は…」
まだ、はっきりとはわからない。
でも、わかるのは…
「啓介先輩とは、ちゃんと話し合いたい。話して、今まで自分がどれだけひどいことをやってきたかわかってほしい。反省してほしい。」
「じゃあ、篠原は??」
「っ!!」
その言葉に胸がざわつく。
正直、篠原のことはわからない。
というか、半端な気持ちで答えを出したくない。
あいつは、あんなにも本気で俺のこと好きだと言ってくれた。
出会いは最悪で、強引で嫉妬深くて乱暴なとこもある。
それでも、俺は篠原の優しさを知った。
それに、篠原が俺の中で大きな存在になっているのは確かだ。
だから、簡単に答えを出したくない。
「篠原のことは、まだわからない。でも、半端な気持ちで答えを出したくないんだ。だから…俺なりに向き合おうと思う。」
「そっか。」
孝太の手が俺の頬に触れる。
その手が少し震えているように見えた。
「孝太??」
「無理すんなよ。」
「え、」
「おまえは、がんばりすぎるとこがあるから…。だから、何かあったら、すぐに頼れよ??」
「あ、うん。」
突然の孝太の優しい言葉に戸惑う。
いや、孝太が優しくないって言ってるわけじゃないんだけど…
「孝太さ…何かあった??」
今の孝太はちょっと変に思えた。
「何もねーよ。」
バシッ
孝太の手が触れていた頬から小さな痛みが広がる。
「いってー!!何すんだよ!?」
「うるせーよ!!おまえは、人の心配しないで、自分の心配しろっ!!」
叩かれた頬をさする。
なんなんだよ、孝太のやつ…
「夕貴、」
「あ??なんだよ??」
「いや…早く部屋に戻って制服に着替えろ。遅刻するぞ。」
何か言いたげだった顔が笑顔に戻る。
違和感を感じながらも、「うん。」と頷いて、孝太の部屋を後にした。
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