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問題だらけの勉強会 05
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俺は、篠原の胸を押して、一歩後ずさる。
「やめろよ、こんなこと…。」
「どうしてですか??」
「どうしてって…。だって、おまえ嫌なんだろ??」
「何がですか??」
「俺と、その…勉強会とか。」
「別に嫌とは言ってませんよ。」
「でも!!さっき嫌そうな顔しただろ…」
「え??」
「見たんだよ!!一瞬だけど、おまえが嫌そうな顔したところ…。」
俺の言葉に篠原はその場にしゃがみこんで大きなため息をついた。
「そのことですか…。てか、勝手に自己解決しないでくださいよ。」
篠原は、立ち上がって、俺に近づく。
「我慢してたんですよ、顔がニヤつきそうだったから…。」
「え??」
「先輩と2人きりで…おまけに泊まりとか。考えるだけで顔がにやけそうで…。そんな顔、先輩に見せたくないから、我慢してたのに…。」
篠原の顔が赤くなっていく。
それが、とてもかわいく思った。
「だから、嫌じゃないですよ。むしろ、うれしすぎて死にそうです…。」
「っ!!」
こいつは無意識で言っているのだろうか…
そんなこと言われたら、俺だってやばいんだよ…
俺の顔もだんだん熱を帯びていくのを感じる。
自分の顔を見られるのが恥ずかしくて…俺は俯いて口を開いた。
「俺も…うれしい。おまえと一緒にいれて…」
「先輩…」
この甘ったるい空気が心地よくて…
でも、恥ずかしくて…
このまま時間が止まればいいのに…
そんな、俺が考えもしないことをふと思ってしまったんだ。
「先輩…そろそろ勉強始めましょうか。孝太先輩から、先輩が生徒会の仕事で全然テスト勉強できていないって聞いたんで。」
孝太、そんなことまで話してたのか。
でも、孝太のおかげで篠原とは元通りの関係になったし、新たな一面も知ることができたし。
それに…少しだけど自分の気持ちも知ることができた。
「そうだな。」
篠原と一緒に立ち上がって、お互い向かい合いながら教科書やノート、参考書などを開いて勉強を始めた。
時々だけど、篠原が「ここ、わからないので教えてくれませんか??」と聞いてくるのがうれしかった。
やっぱ、こいつと一緒にいると落ち着く…
この空間が好きだ…
胸の奥が熱くなる。
やっぱり、俺、こいつのこと…
気になってるんだ。
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