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その階段につながるドアを開けて、踊り場から下まで見下ろす。
「むしろこんなとこから落ちて平気とかどんな体だよ」
打ち所が悪かったら死ぬ。絶対。
初めてここに来たが、想像以上の危なさだった。
もうすぐこっちの校舎は建て替えになるはずだが、それより前に事故が起きてしまったか。
この学校の教師としては心苦しい…
後の会議で重大な事件だと問題になるだろう…
一応、くるっと一回り見てみるが何もない。
本当になんでこんなところにいたんだろうか。
あいつがなんでこんなところにいたのかは全く検討もつかず、帰ろうとした時、ふと端に挟まっている紙を見つけた。
なんとなく拾ってみると綺麗に折りたたまれていて、この寂れた場所にあるものとしては不自然に思えた。
見てもいいのだろうか。
しかし気になるものはしょうがない、
俺はその紙をそっと開いた。
「なんだこれ…」
そこには
"先生がずっと好きでした。迷惑をかけてごめんなさい"
そう書かれていた。
誰がこんなもの書いたのか。
書かれている字はとても綺麗で達筆。
一瞬、女生徒が書いたものかと思った。
だけどそれは恐らく間違いだろうということに気づいた。
これはきっと、伊織が書いたんだ。
ここであいつは何を思ってこれを書いてここから落ちたんだろう。
普段見たことのない伊織を見てしまった気がした。
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