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「僕がっ…僕が祐を一人にしなければこんなことにはならなかったのに…」
気絶すると同時に和樹さんが来たらしく、直ぐに警察と病院に連絡したらしい。
警察は俺が目覚めてから事情を話してもらいに病院に来るそうだ。
救急車で運ばれ、ゴムを着けずに犯されていた体を綺麗にした後検査をしたが、特に異常はなかったらしい。
一番驚いたのは既にあの日から2日経っていたことだ。
「祐が目覚めなかったら、祐を一人にした僕を恨んだりとか、そんな最悪なイメージしか浮かばなくって」
ここ最近ずっと眠れていなかったらしい。
だが俺が目覚めた日、和樹さんが眠っていたのは不眠症になりつつある和樹さんを気遣い、医者が祐が目覚めたときに倒れては大変だからと睡眠薬を飲ませたらしいのだ。
「買い物に行こなんて言わなければ……」
「………」
和樹さんのせいじゃないって言いたい。
それでも言葉は喉で詰まった。
自分の気持ちが伝えられないってこんなんに辛いことなのかと思い知った。
「祐……?やっぱりまだ疲れてる?寝る?」
首をふって握ってきた手を握り返した。
やっぱり声が出ないことを伝えた方が言いかもしれない。
ナースコールを押して、紙とペンを持ってきてもらった。
「祐?」
“俺、声が出ないんです”
驚いたような、最初から察していたような顔で俺を見た。
「やっぱり僕のせいで…」
“自分のことを責めると思ったから言わなかったんです”
「…っ…だって僕が、僕が祐を一人にしたから」
“違います。それ以上自分を責めるなら和樹さんのこと嫌いになりますよ”
「っ……」
(ちょっと言い過ぎたかな)
「……今日はもう帰るね。また明日仕事終わったら来るから」
コクッと勢いよく頷いた。
疲れたような笑みを浮かべて部屋から出ていった。
入れ違いに看護師が入ってきた。
「草薙さん、夕食届けに来ました。」
そういって机に置いた。
「今日はハンバーグですよ」
(ハンバーグ…)
つい最近のことのはずなのに懐かしく感じるのは何故だろう。
(和樹さんのハンバーグが食べたい…)
そんなことを思いながら夕飯が済むとスマホを付けた。
(あ、朱と奈緒からLINE来てる)
朱『インフルで休んだって言ってたけど大丈夫か?』
奈緒『インフル大丈夫?お見舞い行こうか?』
どうやらインフルってことで休みを取っているらしい。
ということは今週は学校に行かなくても大丈夫なようだ。
(うぅっ二人ともっ…)
そう思いながらふと和樹さんのメッセージが目についた。
和樹さん『祐?今どこ?』『さっきの店いるけど』『おーい』『ゆうーーー』『スマホ充電でも切れた?』
そんな感じのメッセージが15件ほど来ていた。
(和樹さん………)
きっと探し回ってくれたのだろう。2時間ほど同じようなメッセージが続いていた。
(やっぱり喋りたい。和樹さんと沢山話したい)
意志が固まってからは早かった。
早速先生を探しに部屋を出た。
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