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朝になると早速手術について説明された。
手術が成功すれば声が戻る。
だが逆に失敗すれば一生声は戻らない。
それでも手術を受けたいかと最終確認された。
勿論それでも手術を受けると言った。また和樹さんと話せる日が来るのかもしれないのならそれにかけない手はない。
「では今週の金曜日、手術をしましょう。私達も全力を尽くします。」
そう言ってくれた。
今週の金曜日。俺の人生が決まる。
次の日の朝早くから和樹さんが来てくれた。
「まだ入院が必要らしいけど…体調は大丈夫?」
コクッと頷くと安心したような笑みを浮かべた。
「祐が居ない家は凄く寂しい。」
しょぼんとした様子でぼそぼそとしゃべった。
「1つだけキスマ付けていい…?」
控えめに頷くとうなじに顔を近付けた。
きっと耳まで真っ赤になっていることだろう。
ペロペロと長い間舐められて、ピリッとした感覚がした。
「祐は僕の物だから。ちゃんとマーキングしなきゃね」
耳元で囁かれて身体中がゾクゾクと悦んだ。
足をもぞもぞと擦り合わせているといじわるな笑みを浮かべた。
「ここは病院だから退院したらね。あと、お仕置きもあるから」
怯えた表情をしていたのか言い直した。
「ん~…太くて長いバイブとあと乳首にはローターつけようか。手足は自分で取れないように天井から縛って吊るして……あ、バイブは最大でご褒美もちゃんとつけよう」
楽しそうに提案する和樹さんを見ていられなくて顔を手で覆った。
「ふふふ、かわいい。早く元気になってね」
そういって額にキスを落とした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
遂にやってきた金曜日。朝から緊張で過呼吸に何度かなりかけたが、飴を舐めたり、自分自身を落ち着かせて抑えた。
「では行きましょうか」
看護師に付いていき、ベットに横たわった。
麻酔を打たれ、そこからの記憶は無い。
目が覚めると見慣れた白い天井と少し硬いベット。部屋に充満する薬品の匂い。
「あ、目が覚めましたか。起き上がらずに待っていてください。まだ喋ろうとしないでくださいね」
そう言われたのでじっとしていた。
そこへ和樹さんが来た。
「あれ、祐?どうしたのその喉……」
自分では分からないが包帯らしきものが巻いてあるのはわかる。
「言っても大丈夫ですか?」
看護師に聞かれ、頷いた。
「草薙さんは、自分の意志で喉の手術をしたいと言ったんです。お医者さんに説明頼んだ方が早いと思うので呼んできますね」
そういって部屋を出ていった。
和樹さんはベットの脇で立ち尽くしていた。
医者が来て、説明を聞いた和樹さんは驚いた顔をしていた。
「なんで……?言ってくれれば僕だって協力したのに…」
喉の痛みがあるため、頭は動かせないがスマホのLINEで思いを伝えた。
『失敗したらまた僕のせいだって言うじゃないですか。本当は声が出せるようにリハビリも済んでから言うつもりだったんですけどね』
手術後直ぐに和樹さんが来てしまったものは仕方ない。
『手術自体は成功らしいです。…あとは俺のリハビリ次第だって』
「ですが少し舌に麻痺が残ってしまいまして。そこでなんですけど、橋谷さん」
「…はい」
「リハビリ自体は家でもできるものです。週1でこちらに通って頂ければお二人でリハビリを行っても構いません。どうなさいますか?」
勿論俺の答えは、和樹さんとリハビリをすることだった。
「祐がそれを望むなら僕はどちらでも構いません。」
「なら決まりですね。抜糸までは入院していなければならないので、日曜日辺りには退院できると思いますよ」
「……っ…ありがとうございます」
そういって和樹さんは深々と頭を下げた。
「じゃあ私たちは出た方がいいですかね。お二人の邪魔をしては行けないし」
「ですね。ではまた夕食の時に来ますね」
「はい。本当にありがとうございます」
医者と看護師は出ていった。
「祐…もし手術が失敗してたら僕自殺してた…」
「ゃ…」
掠れているが声が少し出た。
「っ…声が出てるのは本当だ…でも無理に出さないでよ。退院したらちゃんと声が出せるまで頑張ろ」
そういって抱き締めてくれた。
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