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『パンドラの箱』
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遠い遠い記憶の中に
とてもたのしげな自分をみた。
とても太陽が高くのぼり
日差しが強い日だ。
「―――――」
あれは雪都さんと、兼都……そしてまだ幼いおれ。
いつからだっけ
いつから彼らと一緒にいるんだっけ。
薄暗い記憶をさ迷えば
今度はすごく土砂降りになった。
目の前にいるのは俺を跨ぐその人は俺の良く知る人。
式……
お気に入りの白いTシャツを
赤黒く染め
長いウェーブの髪は片目を隠し
もう片方は妖しく赤く光っている。
『お前は、俺が――』
横を見ればどこか誰かに似ている男の亡骸がある。
目線を上に戻すとギラりと光るその瞳と交わる。
そいつの口元が薄く動く。
『お前は オレが 狩る。』
ヤメロ………!!!
伸ばした手は
何故か真っ赤に染まってて……
そうだ、あのとき初めて
式や緋色達と出会ったんだ……
どうやって出会った?
どうして式はそんな目で俺を見る。
まるで
恨むような目で。
―キミは何も考えなくていい―
―全て悪い夢だから
忘れてしまいなさい―
綺麗な桜色の少し長い髪を靡かせた人がそういった。
―――――――この声は…緋色。
翳された手の中見えたのは
暗い暗い
暗闇だった。
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