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F-0130 ユウマ (5)
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いつの間にか入浴を済ませていたのか、もともと来ていた服を丁寧に畳んで側に立っていた。
「髪の毛ベタベタ。ここに座ってて。」
持っていた服を受け取り、洗濯機に突っ込む。代わりにドライヤーを持って戻るとつけていたテレビをぼーっと眺めていた。
「ユウマ?眠いの?」
「あ・・・ちょっと・・・。」
「髪の毛乾かしたら今日はもう寝よう。」
ドライヤーの電源をオンにして、ユウマの髪に触れる。ふわりとした感触で指をすり抜けるのが心地よかった。次第にウトウトと舟を漕ぎだす。苦笑いで軽くトントンとユウマを叩くと、ゆっくりと頭を上げた。
「あともうちょっと起きてて。」
「・・・起きてるよ。」
何の意地なのかわからないが、意味もなく嘘をついた。再び髪に触り、乾かし始めると舟を漕ぐ。無理に起こすのは諦めてある程度まで乾かしたら、ドライヤーの電源を切った。
「ユウマ、ベッド行きな。」
「うん・・・。でも・・・まだ、いい・・・。」
目をこすって起きていようと、睡魔に抗う姿が可愛く見えた。しかしそれも家中に響いたドアチャイムの音で一気に覚醒した。大丈夫、と一言声をかけ、玄関のほうへ行きドアを開けると一つの箱を持ったヤヨイが立っていた。今回は全体が金髪になっていた。
「ありがとうございます。」
「中、入れるわ。」
いつものように奥に運ぶためリビングへ進むと、ソファに座っていたユウマが小さく悲鳴を上げた。その声でヤヨイはユウマを垣間見たが、何も言わず荷物を置いたら出ていった。
「ユウマ?」
「あ・・・は、ハルヤさん・・・。」
深い呼吸を繰り返し、自分を落ち着かせようとしているユウマは体を震わせていた。
「いきなり人入れてごめんね。あの人はヤヨイさん。ユウマに嫌なことはしない。優しい人だよ。」
「ヤヨイ、さん・・・。」
「そう。ここに来る人はみんな優しい人。約束するよ。」
「は、い・・・。」
そう言って握りしめている手を包むように触れると、ふっと力が抜けたような気がした。
特に興味もないバラエティーを聞き流していると、隣でユウマが再びウトウトとし始めた。床で寝ようとしていたのを、強引に俺の部屋のベッドまで連れて行き、同じ布団に入る。自分の腕の中に閉じ込めるようにして抱きしめると、びっくりしたように顔を上げた。人と一緒のところで寝るのに慣れないのか、目を泳がせたり、深呼吸を繰り返していたが、敢えて黙って様子をうかがっていた。しかし、リズムよく背中を叩いていると次第にユウマは眠りについた。
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