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F-1009 カエデ・F-1010 モミジ(3)
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少しコーヒーでも飲もうと席を立ち、パソコンを閉じたとき寝室から物音が聞こえた。慌てて自室の寝室へ行くと、怒り狂ったそいつが怒鳴り散らしていた。
「誰だお前っ、モミジをどこにやったっ」
初めてこっちがカエデだと認識をした。どうしようか迷って扉に背を預けた時、玄関の扉が開く音、そして一人の足音が近づいてくる気配がした。
「・・・どういう状況だ、これ。」
「・・・すみません。コドモが起きて、暴れてるってだけです。」
暴れるカエデに近づいて、自由な足を押さえつけた。痛みで顔を歪めたのを気にせず、リクマはその子を睨みつける。
「お前、名前は?」
「・・・言わねえよ。どっか行けよ、おっさん。」
「・・・おい、もう片方は。」
「別室です。」
調教をするためだけの部屋に連れていく途中、さっきのがカエデだと伝えるが返事はなかった。面倒くさいことが嫌いなこの人は機嫌があまりに良くない。
「お前が、モミジか。」
「あ・・・。」
すでに目を覚ましていた双子のもう一人は、ベッドの上で震えていた。俺たち二人を捉えたモミジの目からは涙が今にも溢れてしまいそうだった。
「・・・無視とは良い度胸だな、おい。お前がモミジじゃないなら向こうにいるやつを連れていく。」
「俺だよっ、モミジはっ」
青い顔をして焦ったようにモミジは叫んだ。その回答に鼻で笑ったリクマは俺にカエデをここに連れてくるよう命じた。何が起こっているのか理解できていないモミジの腕を引っ張り、両腕を上から吊るすように縛りなおす。とうとう泣き出したモミジを見て、その部屋を退室した。
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