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そうして唐突に始まった翼曰くデートは、悠にとって久しぶりの外出になった。
街中に出ると太陽の光が容赦無く身体を照りつけてきて思わず身を引いてしまう。
「…つ、翼さん…」
「んー?どうしたのハーくん」
翼の後ろをぎこちない足取りでついて行っていた悠の声に翼は振り向く。
病室で見るより更に明るく見える髪が風に揺られてキラキラと輝いていた。
「どこ、行くの…?」
病院を出て少し歩けばすぐに人通りの多い大通りに出てしまう。
近くを通り過ぎる人の視線が明らかに二人の方を向いていた。
悠自身ただでさえ目立つ容姿なのに、モデルでもやっていそうな翼と隣り合わせで道を歩けば、人々の視線を奪うのは容易いことだった。
「んーどこがいいかなぁ。ハーくん、行きたいところとかある?たまにはさ、外の空気吸って気分転換しようよ」
翼は、パーカーのフードの端を引いて少しでも顔を隠しながらフラフラと歩く悠の手をとって、どんどん歩みを進める。
人も車も多くなってくると明らかに悠の身体が異常をきたし始めていた。
「っ…、は…、」
身体が熱く、息苦しい。
呼吸が乱れて周囲の音がやけに遠く聞こえた。
そして次の瞬間、グラリと視線が大きく揺れて世界が反転した。
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