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3 休日
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「ジェボミ、ありがと」
「え? なに?」
「きのう」
「ああ、あんなとこで寝てるから」
翌朝、キッチンでシリアルを食べてるマクに会った。
瞬間的に、昨日の寝顔とか触れた髪の感触とかを思い出して。なんだか落ち着かない気分になる。
もちろん、マクは知らないことだし、態度に出したら変に思われると思って、妙な残像を頭から追い払った。
「ジニョンとユギョムは?」
「ジニョンイはなんかスケジュールで、ユギョミは踊りに行くようなこと、言ってた。んで、実家に泊まるって」
「そう」
「昨日映画見てたんだけど、寝落ちしちゃった」
「風邪ひくなよ」
「んー、気をつける」
マクは、ぜんぜん気をつけなさそうなトーンでそう言った。
「ジェボミは今日なにするの?」
「俺? 特に予定ない」
「そうなんだ、なら、一緒に映画見ない?」
「え? ああ、いいけど。なんか面白いのある?」
「ん、昨日寝ちゃって最初の方しか見られなかったから」
「それって、つまんないから寝ちゃったんじゃなくて?」
「ちがうよ、一昨日夜更かししちゃったせい。ジェボミの好き系とはちがうかもだけど」
「ああ、いいよ、見る」
「ほんと? やった」
嬉しそうに笑うから、なんだか不思議な気分になる。
4人しかいないから、マクとふたりになる事もよくあるけれど、結局ほとんど、お互いに自室にいたりして。あんまり一緒に時間を過ごすことはなかった。
だからといって、ふたりになっても気まずいとかそういう訳じゃないし。
気が合うとか合わないとか、そういう時期はとっくの昔に過ぎた。
いて当たり前な、家族みたいな存在。
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