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6 《一時》
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《一時》
と…思ったが、それからも度々、その子どもに出会う。
良く考えたら、生活圏が一緒らしい。
今まで意識してなかったが、子どもも俺を見ると、ニコニコして、ペコッとお辞儀してくれるし、俺も、またトロイことしてないか、という目で見るし、尚更だ。
子どもは、案の定、トロイことばかりしてる。
押されて、財布のお金ぶちまけたり
お爺さんに親切にしようとして、返って怒鳴りつけられたりとか…。
なにやってんだーーっっ!
と思うことが、いっぱいあって。
ま…見てられなくて、あたふたしてお金拾ってるのを手伝う俺も俺なんだけど。
今日も今日とて、五才くらいの幼児がスーパーで走り回ってて、
事もあろうに子どもと衝突して、幼児がよろめいて店の品物は崩れるわ、幼児は泣くわ……
カオスだ。
「全く!!
あんた、ぶつかって来て!悪かったと思ってんのっ!!」
幼児の元に、走って来た母親が、子どもに食って掛かる。
「……はぃ…すみません…。」
オロオロして、子どもが言う。
「ああ、痛かったわね?よしよし。
ちょっと!!怪我してたらどうすんのっ!!」
「…すみません…すみません……」
小さな身体を、更に小さくして誤ってる。
もう、我慢できん!
「すみません、最初から見ていたのですが、そこのガキが、走り回ってたのが原因ですよ?」
「は?何言ってんの!
うちの子は元気なの!
年上の者が気をつけるのは当たり前でしょ!!」
「はぁ?
公共の場所なんだから、ばあさんやじいさんもいるし、走り回ったら危ないって、母親なら注意したらどうなんだ?」
「何ですって!」
俺の服を、子どもが必死で引っ張る。
「ぃ…いいんです!僕が悪かったんですから!」
良くない!
すると周りで見てた人が、
「そうよね。私もぶつかりそうになったもの。」
「私、その子がお菓子、開けてるの見たわ。
店員さんに知らせたけど…非常識よね?」
「ほんと、ほんと。」
どうやら、本格的な悪ガキらしい。
母親が言葉に詰まって、ガキに
「行くわよっ!」
と、言って去って行った。
おいおい、崩れた品物どうすんだ?
…と思ったら、子どもがせっせ、せっせと直してた。
仕方ないから、手伝う…
何やってんだ…俺。
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