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8 《一時》
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《一時》
参ったなぁ…てっきり小学生かと…。
「ぁ…あの…えっと…」
「なんだ?」
「ぁの…僕…浅瀬那月…です。
えっと……いつも気にかけて、親切にしてくれて…ありがとうございます!」
また、お辞儀。
うーん、気にかけてって…
あんまり鈍臭くて、見るのに忍びない、とは言えないからな…。
「あー、何でもない。気にすんな。
じゃ。」
「あの…!名前……」
「あ?俺の?守谷一時(かずとき)」
「….…もりやさん。」
何が嬉しいんだか、子どもが笑う。
「もりやって…」
「ああ、漢字か?
守るのもりに、谷のや。」
「…守谷さん…わかりました!
ありがとうございます。」
最上級のニコニコ。
なんで?
「じゃあな。」
「はい。
守谷さん、さようなら。」
また、お辞儀してる。
しかし稀に見る躾の行き届いた子どもだ。
それから会うたびに、
「守谷さん、こんにちは。」
と、ペコとお辞儀する。
まぁ相変わらず、とろくさいし、お人好しだし…。
ある時、レジ待ちで偶然並んだ。
「守谷さん、こんにちは!」
「はい、こんにちは。」
えー…っと、名前…何だったっけ?
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