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《那月》
朝になって、腫れはずいぶん引いていた。
良かった。
いつもの通り一番に学校に行った。
大丈夫。
大丈夫。
二番目に来たのは、女の子。
「おはよう?」
女の子は、迷惑そうに睨み付けてツンとして自分の席に座った。
聞こえなかった…のかな。
その後に来た人も、おはようの返事は無くって。
「おい、泥棒!!
宿題は?」
クラスのボスが、朝来たなり言った。
「……やって来た。
でも、僕は泥棒じゃないよ?」
「はいはい、泥棒。」
僕のノートを引ったくる。
「泥棒、日直は?!」
「だから……」
他の人から突き飛ばされた。
「煩せーよ!!泥棒!!」
それから何度も泥棒じゃない、と言っても鼻で笑われるか、暴力振るわれるだけで。
……何日か過ぎた後、僕は泥棒じゃないって言うのを止めた。
便利屋から泥棒が、新しい名前になっただけなんだ、と思おうとした。
うん、大した事ないよ。
思ってても、泥棒、って言われるたびに、ズキ…って心が痛む。
たまに言われるサンキュの言葉も、聞かれなくなった。
でも!大丈夫!!
いつかは慣れる!!
そう……思ってたんだけど……
守谷さんも、最近はスーパーに来なくなった。
僕の所為……かな?
僕が送ってもらって有頂天になってたから、嫌気が差したのかな?
いつも……こう……だ。
何で、かな?
………有頂天になった罰なのかな?
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