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《那月》
大……丈夫……
大丈夫…だよ。
大丈夫、いつかは慣れる。
小さい時の家政婦の、藤沢さんが来なくなった時も、
一人暮らしをした時も、慣れたんだ!
だから、平気だよ?
平気だと思ってたのに。
学校で上靴を隠されて、ドッチボールの標的にされ……それはいつもの事だけど。
クラスメイトが大事にしてた物が無くなって、泥棒だからっていうんで僕が疑われて、クラス全員の見てる前で、裸にされられた。
大事な物は、勘違いで別の所にあったけど。
みんな指、指して笑った。
「泥棒だから疑われんだよ!」
先生は遅れて来て、嫌そうな顔をして、
服を着ろ!とそれだけ言った。
その後も、またいつも通り。
掃除と日直と……。
大丈夫……大した事じゃない。
大丈夫。
その帰り、スーパーに寄った。
でも………スーパーに行っても、守谷さんは来てない。
大丈夫……
と思ったのに、寝られなくて。
どうして…かな。
どうして……
「おいっ!!何を呑気に寝てるっっ!!」
お父さんの怒鳴り声とともに、引き摺り起こされ
ベッドから落とされた。
あ…僕……寝てたんだ……。
もう日が上ってる?
「学校から連絡あって来てみれば……!!
休む事は許さない!!
熱があっても学校に行け!!
全く!!おまえの所為でとんだ手間だっっ!!」
「痛!!痛い!!お父さん!止めて!!」
言いながら、僕を滅茶苦茶に蹴る。
「ぐっっ……っ!!!」
お父さんの蹴った一撃が、鳩尾に入った!
気持ち…悪いっ!!
吐きそ……。
……お父さんは、学生服に着替えるように命令し、僕を家から叩き出した。
「学校に行け!!」
追い出された僕はまだ気持ち悪くて……
学校に行く道で、とうとう吐いてしまった。
吐いても、昨日は食べてないから胃液しか出ない。
道行く人が顔を顰める。
なかなか治らない吐き気を、我慢してその場所から逃げた。
ごめんなさい……
汚しちゃってごめんなさい……
吐き気の所為なのか
哀しかったのか
わからないけど
………涙が溢れた………
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