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《那月》
その日は最悪だった。
二学期の終業式で、数人のクラスメイトに帰る時に公園で待ち伏せされた。
「おい、泥棒!
これからしばらく会えねーから、泥棒である事を忘れないようにしてやるよ?」
「え…?」
人が来ないトイレのすぐ側で、裸にされた。
寒い。
鳥肌が立ってる。
僕を殴って這いつくばらせて、また殴る。
止めて、って言っても無駄なんだよ?
だから黙ってた。
黙ってる方が早く終わるから。
嫌な事を心の中で一、ニ、三と最初数えてたけど、途中で数えるのを止めた。
十超えることは確実だ。
今日も守谷さんに会いにスーパーに行ける。
会えるかどうか、わかんないけども。
「なんだよっ、張り合いねーな!」
ドスッとお腹にパンチが来る。
僕を引き摺ってトイレに連れて行き、便器の中に突っ込まれ、その後、頭から水を掛けられた。
「塾遅れるぞ!?」
「ヤベッ!!
じゃあな!泥棒!!新学期が楽しみだ!」
終わった……?
終業式の準備しか持ってないし、びしょ濡れのままノロノロと服を着る。
寒い……なぁ。
僕の物じゃないように、ガチガチ歯が鳴る。
早く帰ろ。
帰ってお風呂に入って、一休みしたら十貯まったからスーパーに行こう。
守谷さん、今日はいるかな?
守谷さんの事考えたら、心の中だけあったかい。
人の好奇の目を受けながら、なるべく考えないようにして道を急ぐ。
びしょ濡れで帰ってたら、そりゃ変って思うよね?
やっと家だ。
「くまさん、ただいま。
僕汚いから、先にお風呂入るね。」
机の上のくまさんに向かって言った。
お風呂に入っても、まだ震えが止まらない。
寒い……なぁ……。
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