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81 《一時》☆
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《一時》
「君!どうしたの?!!」
「だ…大……丈夫です。」
えっ?!
那月か?!!
「そんな事言ったって、蹲ってるじゃないすっか!
あ!先輩!!」
蹲ってるその影の横顔が見えた!
やっぱり那月だ!!
「那月!!」
なんだって、こんなスーパーから離れた公園に?!!
しかも、具合がわるいのか?!
「…ぇ?え?え?……守谷…さん?」
那月も何が起こってるのか、わからないようで
固まってしまった。
「先輩、お知り合いなんですか?」
「ああ。
那月、具合悪いのか?
また熱出たのか?
なぜこんな所にいるんだ?」
「…ぁ…あの……えっ…と……」
「先輩ー、そんなに質問責めにしたら答えられない。」
「あ…!あの!大丈夫…ですから!
ちょっと休んだら…!」
那月が慌てて言う。
思わずカッとして、
「おまえの大丈夫は大丈夫じゃねーんだ!
取り敢えずこっち来い!」
「先輩ー!」
晴が非難するような声をあげるが、構わず草むらに手を伸ばして引っぱり出そうとした。
その途端、悲鳴が上がる。
「痛…っっ!!!」
呼吸も忘れて、蹲って痛みに耐えてる。
「那月?」
「ほら、先輩!乱暴な事するから!」
「別に乱暴してない!
那月?怪我してんのか?」
「……だ…ぃじょぶ…です。」
今度は、そっと蹲ってる身体を抱いて、木の影から街灯のついてるベンチに下ろした。
上着も着けてないので、俺のコートをパサッと被せた。
「…あの!
ありがとうございました、もう平気ですから!」
「あのな」
強がりばかり言うんじゃない、と言いかけて……
街灯の灯りで、ふと目に入った手を見てギョッとした!
血……?
手に血がべっとり付いてる?!
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