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《那月》
ガヂャンと扉が閉まる音。
どう…しよう……
知られてしまった。
今度だけじゃない、この間の事まで。
守谷さん、今度こそ怒ってた。
当たり前だ。
僕が悪い。
守谷さんも晴さんも一生懸命だったのに、ごまかそうとした僕が。
今度こそ…見捨てられる。
なんだろ?
胸がすごく苦しい。
痛み止め飲んでましになったズキズキする痛みより、苦しい。
動悸がする。
顔が熱い。
喉の奥が変。
なんで手が震えてるの?
なんで喉から変なしゃくり上げる声聞こえるの?
なんで……
なんで声も立てずに……泣いてるの?
守谷さん
守谷さん
守谷さん
守谷さん
守谷さん
もり…や……さん………!
見捨てられても……いい
ほんとは嫌だけど
すごくすごく嫌だけど
………僕が悪いんだから仕方ない。
うん……
怒って罵ってもいいから
せめて最後は
最後は普通で居て欲しい、な。
振りだけでも良いから、じゃあまたな、って、いつもスーパーで言うみたいに。
そしたら僕は笑ってさようならって…
いつもみたいに
いつ…もみた…いに…………
言える……の?
もう守谷さんは居ない。
道で会ってもスルーされる。
駆け寄って行く事も出来ない。
那月って
那月って
呼んで貰えない……
嫌だ……
そんなの絶対に嫌……!
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