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自覚2
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「小澤…」
最近買ったパソコンで、これまた最近始めたYouTubeの編集をしていたら、同居人が気まずそうに声をかけてきた。
きっとファンの子が見たら抱きしめたくなる衝動にかられるであろう表情だ。
有名になっても全く変わらないピンク髪の同居人は、最近の自粛期間中やたらと元気が有り余っていてテンション高めなことが多い。
そんな同居人が今、眉を下げてどこか気まずそうに話しかけてきたのでこちらも心配になる。
「何?どうしたの?」
「その……会った…?」
あった?
何か探し物をしていただろうか?
「え?」
何も思い当たる節がなさ過ぎて、思わず聞き返す。
「だから……」
普段言いたいことをハッキリ言う同居人が、珍しく口籠っている。
「ほんとどうしたの?何かあった?」
「最近相方と会ったかって聞いてんの!」
え?
俺切れられてる?
なんで?
「最近はあまり会ってないけど…インスタライブ一緒にやったりはしてるよ。なんで?」
「あ、会いたくなんない…?」
会いたい…?
あー、なるほど!
「りんさんに会いたくて堪らないってことか!今日コンビで仕事だったんじゃないの?」
兼近の言いたいことがようやく分かりスッキリした。
なんて思っていたら兼近の顔が赤い。
ちょっと意味が分からないんですが?
「現場で会うのと2人きりで会うのは別、何も出来ないし…」
「会いたいって言えば良いじゃん」
「自粛期間中だから無理」
「そうか」
「うん」
「テレビ電話は?」
「余計会いたくなるから嫌だ」
「あー、それはあるかも」
「小澤も?」
「そりゃあね。会いたいっていうか、触れたくなる」
「それだ!めちゃくちゃ分かる!」
ただでさえ大きい目を更に見開いて納得したような表情をしている兼近。
よく分からないけど良かったな。
「そっか、小澤も会いたいし触れたいのか!」
「そりゃあね」
「りんたろーさんもそうだといいなぁ」
「めちゃくちゃ我慢してると思うけどね。触れられる距離にいる分、俺よりも触れたいって思ってると思うよ」
「そうなのかな?でもこの感覚が普通なのが分かって良かった、小澤ありがとうな」
「え?ああ、うん…?」
「じゃ俺仕事戻るわ!」
そう言って家を飛び出して行った。
何だったかはよく分からないままだけど、まあ兼近が今日も元気そうで良かったよ。
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