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ツバキの上司
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「ご主人様、元気なかったにゃ。」
「寂しそうだったにゃ。」
「ボクらの可愛い写真と動画を送るにゃ!」
「そうだな。喜ぶな。」
「ニカイドー、ねこじゃらし!」
「分かった、分かった。」
隣の部屋にある猫じゃらしを取りに行かされる。
もうすっかり猫たちの下僕だ。
2匹はお尻をフリフリしながら、可愛らしくじゃれている。
動画を撮影し、ツバキに送ってやる。
ちょうど今なら昼休みだろう。
送ってから、すぐ、着信があった。
「可愛い!」
「それは良かった。嬉しそうな声。」
「嬉しいです!癒されました。」
「仕事、頑張れそうだろ?」
「はい!シンジさん、ありがとうございます!」
「にゃー。」
ミルクが甘えた声を出している。
「テレビ電話に切り替えるよ。」
「あ、はい。ちょっと待ってくださいね。」
「今、どこにいるんだ?」
「これから研修があるので、ホテルの部屋で待機です。」
「昼は?」
「もう済ませました。」
テレビ電話にすると、ツバキの横に誰かいた。
ツバキと顔が近い!
「こんにちは。初めまして。」
ニコッと微笑む男。
「…初めまして。」
「上司の桜さん。一緒にランチしていたんだ。」
「そうなんだ。邪魔したな。」
「邪魔なんかしてませんよ!嬉しいです。シンジさんからの連絡、すごく嬉しい…!」
ツバキの可愛さに癒される。
知らない男がツバキの部屋にいたことに、かなりモヤッとしたが、少しやわらいだ。
よくみると、随分とエロいヤツだな。
色気をダダ漏れにさせてやがる。
ツバキのこと、狙ってんじゃねぇか心配になる。
思わず睨んでしまった。
「そんな怖い顔しないでよ。オレは、ただの職場の人間だから。」
余裕の笑みを浮かべ、軽くあしらわれてしまった。
大人の余裕かよ。
ますます腹が立つ。
「シンジさん?桜さんは、ボクらの関係を知っている唯一の人です。」
「そうか…。」
「二階堂くん、本当にかっこいいね。」
「桜さんってば!」
「いつも惚気てんだろ?」
楽しそうに笑う桜さん。
あぁ、嫌だ。
大切な恋人が、男と笑い合う姿など見たくない。
「にゃー。」
チョコがオレの膝に乗ってきた。
「チョコ!」
「お、黒猫ちゃんか。ずんぐりして、可愛いな。」
「にゃっ!」
ずんぐりと言う言葉にムッときたらしいチョコは、文句を言った。
「あははっ。ムスッとしてら。すごく可愛いな。」
「にゃぁ。」
満足そうに鳴いてから、膝の上で丸くなった。
ミルクは、少し離れたところにいたが、突然、肩に飛び乗ってきた。
爪は立てていないが、驚かされる。
「2匹とも、随分懐いているんだね。」
「チョコもミルクも、シンジさんのこと、大好きだから。」
「飼い主もだろ?」
「えっ?」
桜さんの前で、赤面するツバキ。
あぁ、そんな可愛い顔を他のヤツに見せないでくれ。
我ながら心が狭いなと思うが、でも、許せない。
狭い部屋に二人きり。
しかも、ベッドに腰掛けて密着している。
間違いが起こらないのか?
オレだったら、ツバキみたいなのと個室で二人きりになったら、間違いなく食っちまってる。
ツバキのエロさに耐えられるのか、コイツは。
「シンジくん、立花のこと、よろしくね。」
「…はい。」
「大丈夫だよ?シンジくんが心配するようなことは、絶対にしないから。」
「…何のことですか?」
「オレが立花に手を出さないか心配なんだろ?オレは、こんな見た目だから、誤解されやすいんだけど、ちゃんと一途な男だからさ。」
ガシッとツバキの肩を抱いた。
「なっ!」
「桜さん?!」
「あはは!面白いな、お前たち!からかいがいがあるよ。」
「なんなんですか、アンタ。」
「お茶目なおじさんだよ。」
「ツバキに触るな。」
「いいねぇ。そういう顔、好きだなぁ。思い切り嫉妬心をぶつけられてゾクゾクする。」
「桜さん!シンジさんのこと、からかわないでください…。」
「立花だって、嬉しそうじゃん。シンジくんが、こんなにヤキモチ妬いてくれて、愛を感じてるんじゃないの?」
「え、そんなことは…。」
「あるでしょ?」
チラッとコチラを向くツバキ。
「シンジさん…ボクのために、妬いてくれた?」
遠慮がちに聞いてきたから、思わずキュンとする。
「あぁ、正直妬いたよ。一緒にいられないってのに、知らない男とホテルの部屋で二人きりとか、面白くない。」
「ごめんなさい…気を付けます。」
「立花は、悪くないよ。オレが、無理矢理部屋に押しかけたんだし。」
「…桜さん。マジでツバキに触るな。」
「分かったよ。あはっ。君のこと、気に入ったよ。今度、直接会いたいな。」
「ダメです。桜さん、シンジさんのことからかうもん。」
「からかわないよ。可愛がるかもしれないけど。」
「ダメです!シンジさんを可愛がるのもボクだけ!」
「ツバキ、オレのこと、可愛がってくれんの?」
「頭をなでなでしたり?」
「いいねぇ。ラブラブぅ。」
ニヤニヤしながらコチラの様子を見てくる。
「…たくさんキスしてあげます。」
「あはっ。可愛い!立花!」
人前で、こんなに甘えてくるとは思わなかったから、驚いてしまった。
「シンジさん?嫌だった?」
「嫌じゃない。嬉しいよ。でも、上司の前でよくそんなこと言えるよな。」
「桜さんのことなんか気にしてないですもん。ボクは、いつでもシンジさんだけに夢中。」
ギュンと心臓を鷲掴みされてしまった。
オレの恋人、可愛いすぎるんだが。
「はぁ…、早く帰って来いよ。」
「早く帰りたいです…。シンジさんに会いたい…。」
「ツバキのこと、抱きしめたい。」
「ボクも…。」
「おーい。お二人さん。オレの存在、忘れてない?」
「うるさいですよ、桜さん。」
「シンジくん、ひでぇー!」
「早く部屋に帰ってください。オレら、これからテレビ電話でセックスするんで。」
「見たい!」
「冗談すよ?」
「え?しないの?シンジさん…。」
上目遣いでおねだりしてくるツバキ。
「したいの?ツバキ。」
「桜さんが帰った後なら…したいです。」
「いいじゃん!やっちゃえよ!シンジくん!」
「桜さん、うるさいっす。」
「あはは!オレ、部屋に戻るからさ!隣の部屋にいるから!なんかあったら呼んで?手伝いがいるなら、いつでも!」
「絶対呼ばないし!」
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